君をもう一度抱きしめたい1-12
恐る恐る芽衣子の顔を見ると、いつの間にか彼女は顔をクシャクシャにしていた。
「芽衣子……」
「それでも、ずっとずっと、会いたかったんだから……」
消え入りそうな声でそう言うと、芽衣子の腕が俺の背中にまわった。
そして彼女は一気に涙を溢れさせ、ワアッと泣き出した。
ここでも彼女を泣かせてばかりの俺は、やっぱりろくでなしもいいとこだ。
なのに、なんでか彼女が泣いてくれることが嬉しくて、愛おしくてたまらなかった。
俺は芽衣子の頭をひと撫でしてから、その手をスルリと芽衣子の頬に滑らせた。
そのまま親指で、流れている涙をそっと拭ってやると、芽衣子は驚いたように俺の顔を見上げた。
見つめあったままの状態で、何か謝った方がいいのだろうかと考えてみるけど、何も言葉が出てこない。
代わりに、俺はゆっくり彼女の濡れた瞳に唇を這わせた。
この涙は俺を想って流してくれたものだと思うと、胸がジンと熱くなる。
芽衣子の瞼がピクリと動いて、やけにくすぐったかったけど、もっともっと芽衣子に触れたくて、俺は何度も芽衣子の瞼とそこから流れる涙にキスの雨を降らせていた。