君をもう一度抱きしめたい1-10
芽衣子の肩にもたれかかるようにして、激しく泣いている俺に、
「……なんで茂がいるの?」
と、芽衣子は呑気な声で俺に訊ねてきた。
それを聞いた俺はそっと身体を離すと、キョトンとこちらを見ている芽衣子の顔をじっと見た。
彼女の瞳の中には、泣きすぎてブサイクになっている俺の顔が映っている。
「……お前、死んじまったから俺の姿が見えるんだぞ」
「あ……」
芽衣子は、先ほどの出来事を思い出したようで口元に手をあてて言葉を失っていた。
「何で、あんなバカな真似したんだよ……!
お前が死んだら、悲しむ奴がたくさんいるのわかってねえのかよ、このバカが」
涙をボロボロ流しながらも芽衣子を睨んでやる。
彼女は自分のした事の重大さに気付き、顔を少し青くしていたが、なぜかすぐさま俺を睨み返してきた。