アイドリング-7
「あああ……あ……」
淫靡な空間に若い女の声が響いた。
道幅の狭い友里のヴァギナにペニスを馴染ませながらも、もてなしの精神だけは忘れない西山。
友里の表情の変化を読み取り、セックスの内容にこだわってベストを尽くす。
「あん、そこ、そこ、いい、もっと、もっと……」
「仕事柄、僕はバックも得意なんだ……」
正常位で交わったあと、四つん這いにさせた友里の後ろから西山が腰を打つ。
友里のGスポットにもっとも効く体位だった。
屈辱的な恰好で背後から挿入されているにも関わらず、確かな絆で結ばれているんだと友里は感じた。
「あっ!あっ!あん!いっ!くっ!うっ!イク!イク!」
「友里!ああ!僕も!いっしょに!友里!」
友里のほうが先にオーガズムをおぼえて、それから西山があとを追った。
恋人同士というくくりではないけれど、夢を見させてくれたことに友里は感激した。
そのあと、友里からの申し出で騎乗位も試みたが、ここでも二人の体の相性は抜群に良かった。
西山さんは、常にあたしの気持ちを優先させてくれていた──と友里は直前のセックスを振り返る。
ほんとうに、どこまでも深いオーガズムだった。
「僕に試乗してみた感想は、どうだった?」
西山の台詞には親密な空気が漂っていたが、馴れ合いは禁物だと思った友里は、その応えを呑み込んでいたずらっぽく微笑んだ。
乗り心地は最高でしたよ、西山さん──。
ラブホテルからの帰り道、友里はお腹が空いたと言って、ドライブスルーのファストフード店に寄り道した。
ハンバーガーとポテトとドリンクを注文して、受け取りの場所で待機していた。
店側からしてみれば、普通の若い女性客に見えていたことだろう。
けれども車内の友里は、西山からの凌辱によって快楽の極地に引きずり込まれていた。
座席の背もたれから伸びるたくさんのピンクローターが、服に仕舞った乳首のまわりをピリピリと刺激してくる。
さらにスカートの中では、特別仕様車ならではのスペシャルバイブがうごめいて、ハンバーガーを受け取る友里のヴァギナを未知の世界へと導いていく。
こんなところで、イっちゃう、あん、まったりイっちゃう──。
様子のおかしい友里を心配して、男性クルーが怪訝な表情をこちらに向けている。
友里はアイドリングの中で、最後の最後に禁じられた台詞を口にした。
「あ、あのう……、おまんこ……きもちいい……」
それを聞いた男性クルーがどんな反応を示したのか、確かめる余裕もないまま友里は車を発進させた。
「ちゃんと言えたね」
助手席から手を伸ばして髪を撫でてくる西山だけは、友里の良き理解者としてプライベートな笑顔をくれていたのだろう。