アイドリング-5
「さすがは水越様、素敵な体をお持ちですね。下のほうもよく見せていただけますか?あなたはとても美しい人だ」
甘い声でささやかれると、友里の長い脚が左右に広がり、色づいた花びらが太ももの肉に引っ張られて口をあけた。
なめらかな異物がチュクチュクとそこをヘディングしている。
「お許しを──」
と西山が言った途端、友里のヴァギナに異物が入ってきた。
「あっふん、んんん……は……ああ……」
まるでバスタブからお湯が溢れ出すみたいに、友里の体中からエクスタシーが吹きこぼれる。
「あん、すごいん、あ、あ、これ、いい……」
出し入れがはじまると、友里もつられて脚を曲げ伸ばしした。
ニュクニュクと恥ずかしい音を鳴らす性器とバイブの結合に、西山とのセックスを錯覚して幸せを感じる友里。
気づけばフロントガラスには洗剤の泡が張り付いていた。連想するのは精液で、それがシャワーのように友里をめがけて降り注ぐ。
そんなにかけられたら妊娠しちゃう。でも、もっとかけて欲しいの。あたしの中にいっぱい出して──。
めくるめく快感の中で、友里はとうとう絶頂へ達してしまう。
「ああん!」
びしょびしょのシートに体をあずけたまま、ビクンと手をすぼめる友里。招き猫の前足みたいな手が小さく痙攣している。
「はあ……はあ……んっはあ……」
こんなに満たされたのは久しぶりだった。軽い気持ちで試乗しただけのつもりが、今ではすっかりサプライズの誘惑にハマっている。
「満足していただけましたか?インパクトという点では、これ以上の試乗車はないと僕らは思っています」
友里は即答できないでいる。間接的ではあるけれど、西山にイかされたという奇跡体験に神経が麻痺しているのだ。
友里の表情には悦が浮遊している。
「とても車の運転どころではなさそうですね。それでは洗車も終わったようなので、ここからは僕が遠隔操縦で車を走らせます」
西山の声は友里の耳には届かない。
操縦不能の可憐なドライバーを凌辱しながら、車は次の目的地へと走りだした。
友里はほとんどの時間をオナニーに費やして、バイブでイかされながらクリトリスをこねくりまわしたり、乳首が赤くなるほど愛撫をくり返した。
すれ違う対向車からの視線を浴びているという自覚もないまま、アンアンとあえいで、クンクンと泣いて、時には西山の名を口にして気持ちをぶつけた。
「水越様、到着しましたよ」
車載のナビを持ち出した友里が車を降りると、そこはラブホテルの駐車場だった。
「ここは一体……」
「僕の指定する部屋へ向かってください。最後のサプライズをご用意しています」
そこでナビの映像が消えた。
陰部の違和感を引きずったまま部屋の前まで行くと、友里は濡れた手でドアをノックした。
中から応答があってドアが開く。
「お待ちしておりました、水越友里様」
ブラックスーツの王子様……いや違う、夜の貴公子となった西山がそこにいた。
友里はそのまま彼の胸に倒れかかった。香水のいい香りが官能を誘って、薄暗い室内へと吸い込まれていく。
二人向き合って見つめ合うと、西山はマジシャンの真似事をして、何もないところからマーガレットを出してきた。