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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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先輩の企み-1

第2話 先輩の企み

祐梨は机上のPCから視線を上げ、事務室の壁にかかる時計に目をやった。
もうすぐ昼の12時だった。
午前の業務が終わる時間だ。
向かいの席から祐梨の上司が声をかけた。
「もうすぐお昼ね。私たちは、今日はお昼当番よ」
その上司は背が高くてスタイルが良く、おまけに顔立ちがはっきりしている。
同じ女から見ても美人だった。
その女性は聡美という名前だった。

祐梨が勤めるQCT社は化粧品と生活用品を扱う外資系の会社である。
このQCTに入社してから約2年間、祐梨は聡美の下で学んできた。
祐梨はあまり我が強くなく、どことなく柔らかい雰囲気を持っている。
スポーツ好きで活動的な聡美と女の子らしい祐梨の相性は基本的に良かった。
そこまでなら、良い組み合わせの上司と部下のコンビというまでのことだった。
しかし、上司の聡美はそれだけでは満足できなかった。
聡美の身体の奥底には、同性に対する渇望のマグマが流れていたからである。

この2年間、聡美は祐梨の面倒をよく見てきた。
いや、それ以上に可愛がってきたといえる。
祐梨は気づいていないかもしれないが、聡美は祐梨に対し、単なる部下以上の愛情を感じていたのである。
それはこの2年間、隠し続けてきた気持ちだった。
会社では表に出さなかった。
しかし、家に帰ると聡美は悶々として祐梨のことを考え、身体の火照りを自ら慰めるまでになっていたのである。

彼女たちが所属するセクションでは昼当番があった。
当番の日は昼休み時間も外出せずに事務室に残り、来客や電話の対応をするのである。
今日は晴れて気持ちの良い秋の空気に誘われたか、皆外へ食べに出て行った。
事務室には当番の聡美と祐梨だけが残った。

二人は事務室内の会議卓で待機することにした。
「お昼持ってきたのなら、祐梨は食べていいのよ。私はあとで食べるから」
「先輩、ありがとうございます」


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