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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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後始末-3

そんな2人を手島は再び地獄へと誘っていく。

「お前達に反省を求めても3日経てば忘れるだろう。この日の事を忘れないように毎月5百万円を慈善団体に寄付をして善行を積め。もちろん浩司さんのご実家の借金分だけは肩代わりしてもらう。浩司さんはそれだけでいいと言っている。自分に貰う分は寄付しろということだ」

「き、寄付ですか…」

意外な申し出に戸惑う悦子。

「ま、毎月5百万円ですね」

悦子は勝手に1年間だと思い込んでその金額を計算した。

(浩司の家の借金を併せても2億1千万。さっきより安上がりじゃないの)

悦子は溜めこんだ小遣い分で充分足りると安堵した。

「ああ、毎月5百万、お前達にとっては安いもんだろ。それがず〜っとだ」

「えっ、『ず〜っと』って?き、期間は?」

悦子は嫌な予感がして確認した。

「お前達が破産するか、写真をバラ撒かれてもいいと思うまでだ」

「ひっ!」

一瞬、気が遠くなりかけた悦子だったが、自分勝手な頭は都合のいい考えに切り換えた。

毎月5百万円の出費は痛いが、それを寄付し続ければ憧れつづけた叙勲も夢じゃない。

それにこいつらはやっぱりバカだ。一度に払えば痛手だが、分割でチマチマ払ってる間にこいつらの弱みを握って反対に仕返しをしてやる。

悦子は気位の高い自分に対するこの仕打ちを許せるはずはなかった。

「悦子さんの考えは筒抜けですよ」

ここでマスターは初めて口を挟んだ。

「えっ?」

「寄付する条件は匿名です。罪の償いのための善行が、褒美になったら罪が償えないでしょ。自意識過剰な貴女方には一番いい罰だ。それに仕返しをするという被害者意識の考えはいい加減に捨てなさい。」

マスターは悦子の浅はかな考えを打ち砕いた。

さらに手島が悦子に追い打ちを掛けた。手島は悦子の耳元に口を寄せると小さな声で囁いた。

「お前も代々続く家柄で、国会議員だのなんだのと言うくらいだ。なら、古くから政事に関わってきた人を見通す力の有る一族の噂くらい聞いたことがあるだろう」

「そ、それって…」

悦子は吃驚した表情を浮かべた。

「知ってるんなら、逆らうとどうなるかわかるだろう」

悦子は目を見開いたまま、コクコクと頷いていた。



痴漢専用車両は、悦ぶ者、苦悩する者を乗せて終点へと向かって行った。





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