ゆうこ-3
「ど、どうして…」
「名前を呼んで気持ちを込めたいんです。いいでしょ」
陽子は一瞬考えたが直ぐに決心してその名前を伝えた。
「マスターの名前は『せいじ』、星を司るって書くのよ」
「星司さんですね、ステキな名前。陽子さんありがとうございます」
優子は陽子にお礼を言って、また、マスターの耳元で囁きかけた。
「星司さん、優子です。何もできないけど一緒に居させて下さい」
優子はマスターを想う気持ちを強くしてしばらくそれを続けた。
―貴方はどんなに辛いことを経験したの?―
優子にはマスターがどんな経験をしたのかわからなかったが、心の傷を少しでも埋めたいと願った。
―可哀想な星司さん―
目に涙を溜めた優子は、心のままに両手をマスターの頬に添えると、自身の唇をマスターの渇いた唇にそっと重ねた。
この時の優子の中にはもうマスターしか無かった。恵里香や悦子の嗚咽を堪える声も、理紗の遠慮がちな喘ぎ声も、寛子の遠慮の無い嬌声も耳に入らなかった。
初めは遠慮がちに、触れるか触れないか微妙な感じで重ねた唇をゆっくりと擦りつける。それだけで優子はとろけるような快感をを覚えた。
しかし、優子の期待した変化は起こらない。
―森の美女ならここで目覚めるのに―
少し大胆になった優子は、マスターの髪を愛撫しながら舌を出して渇いた唇の表面に湿り気を加えていった。その行為を堪能すると、マスターの意識が無いことをいいことに、さらに大胆さが増していく。
マスターの口内に舌を侵入させ、マスターの歯列の前面を上から下まで丁寧になぞる。それが終わると薄く開いた隙間に舌を差し入れて徐々に歯をこじ開けていき、歯の裏側も丁寧になぞりだした。
優子の舌がマスターの舌の舌を求めて彷徨いだすと、優子の口内に溜まった唾液がマスターの口内に入っていった。
超ミニで膝を付き、前屈みにマスターの唇と求める優子の姿勢は、必然としてスカートの中身は丸見えだった。肉スジを覆う下着のその部分は、卑猥な具がくっきりとわかるくらいに愛液でべっとりと貼りついていた。
陽子は優子のその部分を見ながら、モロに秘部を見るよりも卑猥だなとぼんやりと考えていた。しかしその時、卑猥な部分が映る視線の端に何か違和感を覚えた。
「ん?」
その違和感の原因に気づいた陽子は思わず声を出した。
「ゆ、優子ちゃん、マ、マスターが…」
しかし、口内の愛撫に夢中の優子はこの時のマスターの変化には気づかず、陽子の声も届かなかった。
「優子ちゃん、優子ちゃん、見て、ほらほら」
陽子が幾ら呼んでも自分の世界に入っている優子は気づかない。
優子の舌がマスターの舌を愛撫しだした時に、優子は下半身に衝撃を受けた。
「ヒャン!」
その甘美な刺激に体をのけ反らせて反応した優子は、吃驚して後ろを向いた。すると陽子が下着の上から優子のくっきりと透けたクリトリスをグリグリと擦っていたのだ。