君とサヨナラする日2-17
俺は、事の顛末を青ざめた顔で呆然と見ていた園田の方を振り返ると、
「園田、お前は久留米についてろ!」
と、強い口調で命じた。
「は、はい!!」
園田は驚いたように返事をすると、急いで気を失っている久留米のそばに駆け寄った。
「じゃあ俺、助けに行ってくる」
そんな俺に、園田は静かに涙をポロポロこぼしながら、
「手島さん……、あなた、もうポイントが残りわずかなんです。
仕方なしにやったとはいえ、有野さんに触れ、久留米さんを殴って……。
ここでさらに有野さんを助けになんて行ったらもう……」
と、力なく言った。
園田の汚ねえ泣き顔を見れば、心に迷いがわずかに生じた。
でも、散々芽衣子を泣かしてきた後悔と、償いたいという気持ち、芽衣子には生きて久留米と幸せになって欲しいという想いがそんな俺の迷いをすぐに拭い去った。
ついこないだまでは、芽衣子を殺して一緒に生まれ変わるなんてわめいていたのにな。
でも、芽衣子を助けられるのはもう俺だけだし、今さら数少ないであろうポイントを気にして後悔するような真似だけはごめんだ。
もう、損得なんてどうでもいい。
最後くらいは芽衣子の恋人として、カッコつけたいんだ。
俺は園田に向かって、
「ポイントなんざもうどうでもいいんだよ!
それにだな、お前が見てないとこで俺、芽衣子にキスしちゃったもんね!」
と、思いっきり笑ってやった。