投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

また君に会いたい
【その他 恋愛小説】

また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 199 また君に会いたい 201 また君に会いたいの最後へ

君とサヨナラする日2-14

俺の目の前で空を飛んだ芽衣子の身体は、やけにスローモーションのようにゆっくりだった。


「この、バカ女が!!」


俺はそう叫びながら目の前にある芽衣子の腕を掴もうと、目一杯手を伸ばした。


――あと少しだ!


スルッと俺の指先が彼女の腕に触れる。


一瞬、芽衣子の瞳が驚いたように見開き、俺と目が合ったような気がした。


「芽衣子!!」


涙でぼやけて見える芽衣子に向かって、俺は精一杯彼女の名前を叫ぶ。






でも、それは虚しく空に消えて行った。


俺の指先は、芽衣子の腕を捕らえることができず、ただ彼女の肌をかすっただけ。


次の瞬間、芽衣子は海の中へと吸い込まれて行った。


……一瞬触れた彼女の肌が汗ばんでいたことだけが、妙に指先に生々しく残っていた。




また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 199 また君に会いたい 201 また君に会いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前