ロディオ-13
6
恵美の部屋は二階の南側に位置していた。明るい陽射しが差し込み淡いピンクで統一され幼さが残る顔と同じく、まだ大人になりきれていない若い女の子らしい部屋だった。
本棚には雑誌関係の書物で埋め尽くされていた。その一角に恵美の写真集とDVDが置かれている。
緊張から硬くなって立ちつくしている恵美をよそに滝山は、“南国のパパイヤ娘”と題されたDVDを再生しはじめた。
《こんにちは〜、恵美で〜す。みなさん、楽しんでくださいねぇ》
画面の中で今にも乳房が踊り出そうな小さなビキニで恵美が砂浜を走っている。下半身の極端に小さな三角の布はヒップの腰紐に、かろうじて押えつけられている。この明るく健康的な少女が今から浣腸という邪悪で淫猥な儀式を受けようとしているのだ。
「さあ恵美、自分で服を脱いでママの身代わりに浣腸を受けるんだ」
恵美は震える手で衣服を一つ一つ脱いでいき下着姿でベッドの脇に立った。
「竹中さん、どうしても……どうしても、それをしなければダメなの?」
「しつこいぞ。ほらさっさと脱げ」
「あっ、イヤ!」
下着姿のまま逡巡する恵美に業を煮やした竹中が、ブラを摺り上げショーツを引き下おろして下着を奪い去った。そのままベッドに突き飛ばして右足首と右手首、左足首と左手首と素早く縄で縛りつけてうつ伏せにした。
腕をそれぞれの足首に引っ張られた格好での四つん這いは、自然と尻の割れ目を晒すことになり薄茶色のアヌスが剥き出しになった。
「いやよ! こんな恰好! 絶対にいやっ!」
つけっ放しのDVDの画面では、シナをつくった恵美が上目づかいで肢体をくねらせている。
《恵美の恥ずかしい恰好見せてあげる》
処女を滝山に奪われたばかりの恵美だが、まだ少女の恥じらいを失ったわけではない。純真の心を保っている恵美にとっては排泄器官を天に晒すような恰好が受け入れられるわけがなかった。
「恵美、とっても素敵な姿だよ。君はその肛門丸出しのまま浣腸をうけてもらうよ」
「やっ! いやだっ! ちゃんとおトイレでさせて!」
排泄する姿を他人に晒すなど考えも及ばないことだった。そんなことするくらいなら、死んだ方がましだ。排泄行為など絶対に他人に見せるものではない。恵美のなかでは浣腸を自分でしてトイレですませるものだと思い込んでいた。
「君は解っていないな。排泄する姿をご主人様に見せることは、牝犬奴隷として当然のことだよ」
「私、牝犬でも奴隷でもないわ! はやく腕と足のロープを解いて!」
「何を言っているんだい。君はママの身代わりになったんだろ。ママは俺の奴隷だ。その身代わりの君も奴隷になったことにちがいはない」
「そんな屁理屈どうでもいい! ねぇ、はやく!」
「そんな口のきき方ができないように身体で教えてやる」
「ねぇ、お願いだから、こんな所で止めて!」
滝山はベッドの脇に用意していたグリセリン液を浣腸器で吸い上げ、凶器のような太い注射器を恵美に見せつけた。恵美はベッドに押しつけられている顔をもちあげて恐怖に引き攣らせた。
「ひっ、何よそれっ!」
「これで今から浣腸してやる。どうだ、ゆるしてほしいか」
「お願いっ! やめて!」
「『恵美は貴方の牝犬奴隷です』といえ」
「言うから止めて! 恵美は貴方の牝犬奴隷です、言ったわよ。だから止めて!」
「よし、よく言った。ご褒美の浣腸だ」
「ふざけないでよ! 何が奴隷よ! チョト、何しているの! うっ! 止めて! 冗談でしょっ!」
ローションをたっぷり塗った滝山の太い指が菊座を撫でまわしながら、ほぐしにかかった。まだ使い込まれていない、薄茶の狭い締りをゆっくりとこじ開け第一関節を埋めにかかった。
「ひいいいいっ! ゆるしてえぇっ!」
「奴隷のくせに生意気な口をききやがって。アナルの快感から抜け出せない身体にしてやる」
排泄というもっとも醜い姿を異性に晒すことは最大の恥辱だ。恵美は自分ですら見たくない姿を観察される恐怖でただ赦しを乞うしかなかった。
「恵美は貴方の牝犬奴隷です、恵美は貴方の……、うわああああ、だから赦して、赦してください!」
「グラビアアイドル恵美の排泄だ」
《やだ〜。そんなに見ないで》
画面の中の恵美は半開きの口元で胸を寄せながら尻をくねらせている。
「DVDみたいに俺にシナをつくるような女になるよう調教してやる」
十分にほぐしたアナルに浣腸器の嘴が当てられる。
「いやああああああっ! 絶対にダメえええええっ!」
必死にもがき、その悪魔の儀式から逃れんとする恵美は不自由な恰好のままベッドの上を跳ねまわっている。
「そんなに暴れて肛門に傷がつくと大変なことになるぞ。化膿して医者に行ったら、何と説明するのかな」
「いっ! いやだぁっ! 触れないで!」
「ママはまだ乗馬で悶えているぞ。いつまでも放っておくと淫乱女に変わってしまうかもしれないぞ」
「うっ……ううううう……ママ……」
「そうだろう、ママを助けるのはお前だけだ」
「ママ……ママのためなら」
「そうだ。お前はママを助けるための身代わりの生贄だ」
「うううっ……でも、やっぱり出来ない……、うっ! いっ! いやあああっ!」