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果葬 ―かそう―
【その他 官能小説】

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―13―-3

 膣から引き抜いた指に絡まる被膜を舐め取ると、部屋中を物色して、リビングボードの適当な引き出しを開けてみる。
 中身をひっくり返し、床に散らかった物の中からピンクローターを手にした。

 コードをたぐって本体を拾い上げ、すぐさまスイッチを入れる。
 指先で振動を確かめると、ブラジャーのカップの中に入れてしまった。

 効果は絶大のようだ。それを無理に我慢しようとするから、鎖骨のアーチがきれいに浮き出るのだ。

 玩具に取り囲まれた彼女は、貪欲な手つきでバイブレーターも拾う。
 その太い胴体を愛おしく眺めたあと、瞼を閉じて一度は投げ捨てるが、また拾っては視線をそそぐ。

 いじらしくて仕方がない──刑事の誰かがそう思ったからか、その気持ちを裏切るように、若妻のヴァギナは卑猥な玩具を丸呑みした。

 ひいひいと快感に歪む、目元、口元。
 ぐちゃぐちゃに形のくずれた陰唇。
 ふっと表情が和らいだあとに起こる全身の痙攣。

 そうやってオーガズムに魅入られた青峰由香里の姿を、一言も発さずに見届けるしかない警察関係者たち。
 この映像の中にこそ、これまでの一連の事件の謎を解く鍵が潜んでいるのなら、それも仕方のないことかもしれない。

 すると再生画面の中の彼女が突然、ドアのほうを振り返る。
 直後にドアが開き、先ほどの目出し帽の男が入ってくると、青峰由香里に首輪とリードを施した。

 待つこと数秒──。

 6人もの男らがぞろぞろと部屋に入ってきた。
 彼らは、目出し帽の男の連れているペットに興味を示し、服を脱ぎ捨てて、目的を果たす行動に出た。

 ほんの数時間前まで普通に暮らしていたはずの主婦が、今こうして複数の男らによって犯されているのだ。

 わずか1グラム程度の媚薬のせいで、人格までもが操作され、女性の誰もが男に狂ってしまうものなのだろうか。
 疑問は残るが、映像の中の青峰由香里からは、輪姦を助長させる艶めかしい雰囲気が漂っている。

 すでに精液まみれになった被害者が何度目かの挿入を許した時、ふたたび映像が不自然に切り替わった。

 清楚な制服に身を包んだ女子高生が、不安な面持ちで立ち尽くしている。
 青峰由香里が監禁されていた部屋とおなじ造りの空間で、少女はじっとドアの方角を見つめている。

 おそらく音声は意図的に消されているのだろう。

 ほどなくしてドアが開き、黒い毛の大型犬を連れた目出し帽の男があらわれた。

 またあいつだ、と一同が感づいた。

 表情が読み取れない分、男の挙動に不気味さを感じる。

 犬は最初から興奮気味にしっぽを振っていて、女子高生に近寄ると、いきなりプリーツスカートの中に頭を突っ込んだ。

 少女はそのまま壁際まで追いやられ、悲痛な表情で座り込んでしまう。犬がその股間をはげしく舐めている。

 そこで男が少女に指示を出す。
 女子高生は怯えながらも四つん這いになり、そこに犬が重なった。
 人と動物による交配がなされた瞬間だった。

 あまりにひどすぎると、目を背ける者もいた。しかし映像は流れつづけている。

 まだ未成年であるにも関わらず、見ず知らずの男の欲求を満たすためだけに、一人の女子高生が犠牲になっているのだ。
 時折のぞく悦びの表情は、やはり媚薬による望まない感覚なのか、食いしばる口元にできたえくぼも悲しく映る。


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