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果葬 ―かそう―
【その他 官能小説】

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―4―-1

 彼女はここ一年ほど、毎朝のウォーキングを欠かしたことがない。
 自分の体型にコンプレックスを感じているわけではなく、人並みに生活習慣病へ気を配り、実年齢よりも若く見られたいと願う女心からくるものだ。

 夜明け前の時刻にそれらしい服装で家を出て、近くの公園を周回するコースをたどり、大体30分程度の運動を終えて家に着くことになる。

 今日もいつもと変わらぬ朝を迎えて、ほぼ予定通りに家の門を出た。
 頬にあたる春風も幾分ぬるんできているとはいえ、四十路の身にはこたえる気温である。

「おはようございます」

「あらあ、今朝も早いですねえ」

 すっかり顔馴染みになった婦人と挨拶を交わして、公園に差しかかる頃には体も温まりはじめていた。

 マナーの良い人もいれば、またその逆もいるものだ。
 公園内にペットの汚物が見当たらない代わりに、家電品などの不法投棄が目立ち、注意を促す看板を立ててみてもなかなか効果があらわれないときてる。

 ふとして彼女は公園の片隅で立ち止まり、そこに不審な物があることに気づいた。

 何かしら、これ──。

 使い捨てられた小型の冷蔵庫や電気ポットに並んで、中身が詰まってふくらんだ青色のゴミ袋が棄てられていた。

 ちょうど人が一人くらい入れそうな大きさだ──彼女がそう思った時、ゴミ袋がわさわさと動いたように見えた。

 彼女は目をまるくした。このまま放置しておいてもいいのだが、中身が気になって仕方がない。

 そんな好奇心に勝てるはずもなく、彼女は恐る恐るゴミ袋の結び目を解き、その中身を見て腰を抜かした。


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