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「なあに、ちょっとした身体検査だよ。それでなにも出てこなかったら、さっきまでの分、耳をそろえて払ってやろうじゃないか」
「あたしの体にひどいことしたら、あとで警察に……」
そこまで言って、それができないことに由香里は気づいた。
育児放棄みたいな真似までして、旦那に黙って生活費を持ち出し、それを賭け事につぎ込んでいるのだ。
事情をしゃべったところで、
「それこそ自業自得だ」
などとあっさり言われて、自分の手元にはなにも残らないような気がした。
そんな由香里の心境を見透かしたのか、ふっと力の抜けたその手足に、胸に、内股に、男らの乱暴な愛撫がマシンガンのように繰り出された。
「いやあああっ!」
金属音ともつかない悲鳴とともに、由香里の着衣は散り散りに引き裂かれ、あとに残ったブラジャーとショーツだけが唯一の貞操帯に変わり果てた。
女性用下着売り場に飾られたマネキン、それが今の由香里の姿なのだった。
「なるほど、なかなかいいもん持ってるじゃねえか」
この台詞は由香里のバスト、ウエスト、ヒップに向けられていた。適度に脂がのっている。
「自分で脱ぐか、俺らに脱がされるか、どっちを選ぶ?」
「これだけは、許してください……」
部屋の真ん中に一人放置された由香里は、あまりの恥ずかしさになすすべもなく、もじもじと手指を揉んで気分を紛れさせている。
腹部に薄く残る妊娠線の痕にしても、女性器とおなじくらい、誰にも見られたくない汚点なのだ。
「あんた、ガキを産んだばかりなのか?」
相手が目ざとく訊いてくる。
由香里はうなずいた。
「だったらさあ、ご無沙汰してる股座(またぐら)が、口寂しいって具合に疼いてんじゃないのか?」
言った男の目の色がカメレオンのように変色して見えた。
さらに爬虫類の長い舌に巻かれて、捕食されるに違いないとも思った。
髭面の男が、ぱちんと指を鳴らすと、格下と思われる残りの二人が由香里を前後から挟み、ブラジャーの中に、ショーツの内側のホットスポットに、がっつりと指を差し入れた。
「やめてえ、いやあ!」
耳鳴りをおぼえるほどの悲鳴がふたたび密室に響き渡る。
そんな由香里の反応を鼻で笑う男と男と男。
しだいに行為をエスカレートさせていく魔手が、由香里の乳首と膣内をいじくりなめしている。
「あんたみたいないい女、久しぶりだよ」
と悪臭を放ち、
「しこしこしたら母乳が出るんじゃねえか?」
と乳先をしごき、
「俺の精子を恵んでやってもいいぜ?」
とヴァギナを掻きまわす面々。
由香里はかるいパニック状態に陥り、わけのわからない言葉を喚いたり呻いたりした。