The change!〜少女の願望編〜-3
「ひとみ……ひとみ……」
――誰だろう?
「起きてくれ……」
――やだなぁ、まだ眠いよ……
「これはいったいどういうわけなんだ……?」
――……わけ?
「起きてくれよ、ひとみ!」
パカッと目を開けた。
覗き込んでいるのは望だ。切羽詰まった顔で狼狽えている。
服が少しぶかぶかとしていてワンサイズ大きなものを着ているようだった。
「何……どしたの……?」
言ったショックで漸く脳が覚醒した。
聞き慣れた声と違う、1オクターブは下がった低さ。
それは紛れもない、男のものだった。
ポンと胸に触れれば柔らかな感触もない。
真っ平らな胸板があるだけだった。
「マジで……性転換しちゃったんだ」
呆然としたように呟く。
目の前ではその発言に対し呆然とする恋人の姿。
互いに間抜け面で、端から見ればなかなか素敵な眺めだっただろう。
「えーまーつまり……性転換薬なるものを摂取したからこうなった……と?」
「ま、そういうわけ」
パニックになる前に話そう、とは決めていた。
実際それは良かったらしく、驚きはしたもののとりあえず納得はしたようだった。
「ちゃんと……日没には元に戻るみたいだから」
まだ慣れない声で自分より小さくなった望の肩をぽんぽんとたたく。
望はすっかり女の子だった。
しかも、元々の中性的で端正な顔だちが元の面影を残させていて、さほど別人という印象もない。
望の姿の女の子。
「ホントに元に戻れる?」
「うん、絶対。」
「絶対に?」
「戻れないようならこんな薬人に使わないよ」
嘘も方便(?)。ぺらぺらと言い続けてやる。
あぁ、素直だなぁ。
世の中「絶対」という言葉を使う人間ほど信用しちゃいけないんだよ?
「だから、逆に楽しもうよ♪」
「そっか……そうかもな、滅多にないよな、こんなこと」
「だからさ……」
するりと望の腰に手を回した。抱き寄せて軽くキスをしてやる。
「『俺』と……しよ?」
「んな……///」
望が面白いように真っ赤になった。
更に2、3回キスを落とす。
「いつもね……気持ち良くさせて貰ってるから、たまには、いいでしょ?ね、しよ……?」
「…………///」
目をあっちこっちに反らしている。
絶対に合わせてはくれない。困っている証拠だ。
答えない望を優しく優しく押し倒す。下手に力をいれたら壊れそうな程華奢な身体だ。
目にかかった黒髪を掻き上げてペロッと軽く頬を舐め、耳元で囁いてやった。
「拒否しないのは、イエスととるよ」
この位置からじゃ顔は見えないが否定の動きはない。
そのかわり、微かな声が返ってきた。
「ズルイ……///」
口端だけで軽く笑む。
チェック・メイト。
流された望の負けだよ。
「ごめんね、ありがとう」
そっと着ている服を脱がしにかかる。
シャツのボタンを一個一個外すと、薄いTシャツ一枚になった。
元が男なわけだから、当然ブラなど付けてはいない。
胸の形がそのまま眼下に広がっていた。大きすぎなければ小さすぎもせず、頂点にはぽちり突起が軽く布を押し上げている。
そっと服の裾に指を入れて、ちらりと視線を上げれば、先程と同じ困った目。
拒否はしてない、ととって手をスルスルと忍び込ませた。
ほどなく行き着く、フニフニとした柔らかい胸の感触。
手の皮膚が少し固くなったからか、柔らかさは余計顕著に感じられた。
例えるならつきたてのお餅。
手で包み込むようにやわやわと揉みしだいていく。
胸の芯の固いところを摘むようにすると望が身体をひくりと反応させた。