喰い荒らす狂気-4
「お母さん…」
小雪は泣きそうな顔で雪女を見ると葵の手をぎゅっと握った
「小雪、アタシ達も戦うよ」
小雪は葵の言葉に頷くと手から雪の結晶を出した
「いくよ、小雪」
葵は氷の粒を出し鬼に放ち
小雪は結晶を放った
パリィン
勿論、鬼に効くわけもなく、鬼は気にする事なく雪女に近づいた
「お母さん!」
小雪は雪女に走り寄ろうとするが葵が止めた
「行っちゃダメ!アタシ達じゃ役に立てないよ…お母さまを信じよう」
グォォォォォ!
「葵っ!小雪を連れて逃げなさい!早く!」
「やだよ!お母さんも一緒じゃなきゃ…やだっ!」
「お母さんにはとっておきの技があるの…あなた達も巻き込んじゃう技なの…お母さんもすぐにいくから、待ってて…」
小雪は納得出来なかったが葵に手を引かれ外に出た
「お姉ちゃん…お母さん大丈夫かな…」
「大丈夫…だよ…お母さんは強いから…」
葵は泣いていた
葵には分かっていたのだ…
雪女が自分達を逃がす為に嘘をついたことを…