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サディスティック・スパイラル
【SM 官能小説】

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スパイラル-23

13

ベッドの上で首輪に拘束した手首をつけたまま尻を滑稽なほど高くあげた姿にして、竹中は理緒を視姦していた。
尻が張った女はバックで観賞するのが一番いい。ウエストから広がる臀部は美しい音楽を奏でる弦楽器の曲線美と同じだ。どんな音色で演奏するかは演奏者の腕次第。竹中は手にした野太い弓を擦りその張り具合を確認している。
理緒は掌をベッドにつけて顔を横に向けている。足を開いて尻を大きく突き出した格好をさせられ、何もかもが竹中に晒されていると思った。無言で何もアクションを起こさない竹中にジッと見られていると自覚すると、ベッドに伏せをしたまま尻を突き出している自分がとてつもなくハシタナイ恰好をしているという被虐的な思いに、止めどもなく淫汁がうきでてバギナを滑らせていた。
静かな室内の中、指揮台のベッドにあがった厳かな奏者が、柔らかな肉の唇のとじ目に弓を当てた。ゆっくりと押し込んでゆくと、か細い音色が流れ出てくる。弦の締りを確認しながら前後に弓を引き始めると擦れ合った粘膜によって生じた刺激で美しい音色が響きわたる。
奏者はその音色に興がのり徐々に激しく前後に弓を引き始めた。
事前の調律で狂いのない音律を奏で、奏者の動きに合わせて突き動かされている。擦弦される女体からは高音から低音までの様々な音がひきだされていった。
感情の高ぶりと共に一気に果てると思いきや奏者は動きを止めて撥弦に転じた。手で繊細な弦をチョコチョコと弾くと張りつめた弦が研ぎ澄まされた音をたてた。流れを変える意外性が慣性を打ち破りバリエーションに富んだ音色を引き出す。
何度も高まりに登りつめ演奏の終わりかと思わせるが、奏者の弓によってすぐに新たな楽曲が始まる。掻き抱く弓が擦りきれんばかりに摩擦して、打弦に変化してゆくと奏者の額からも汗が飛び散り、憑かれたように動作を繰り返している。
美しい曲線美の楽器が壊されてしまうのではないかと思うほど手荒な演奏だが、その音色は益々高く大きくのびる。
「あああっ! パパ、パパ最高よ! もうパパしか考えられない! あああっ! また! また逝っちゃう! 凄い、もうパパ凄い! ああああああっ!」


14

冴子の記憶は、竹中と理緒に二つ穴を同時に責められ、内蔵ごと引きずり回されるような快感に失神してしまってから途切れていた。ただ薄っすらとした記憶の中で理緒の獣じみた叫びを聞いていた気がする。
あの日以来、竹中に完落ちしたと認めざるをえなくなり複雑な心境だった。言い寄る男達を撥ねつけ、イケメン俊介を操り好きなようにセックスを楽しんで自由を謳歌してきたが、竹中の出現により、すっかりM奴隷にされてしまった。
俊介からはたびたびデートの催促を受けているが、とても応じる気にならなかった。社内で竹中と顔を合わせる機会は少ないがいつどこで見られているか気になってしかたがなかった。
竹中はもともと重役の縁故で入社し、技術部の部長の肩書をもっているが実態は閑職で給料を支払うために設けた役職だ、という噂だった。当然担当する責務はなく、その分社内の噂や情報収集に長けているのだろう。
竹中の目に怯える日々を送りながらも冴子は仕事に没頭することで、その煩わしさから逃れていた。
その日、冴子は大きなプレゼンにそなえ営業幹部たちが見守るなか予行演習を行うことになっていた。いつもの勝負服のミニスカートを身に着け颯爽と会議室に向かって歩いていた。
「おい、冴子」
休憩コーナーの自動販売機が置いてある前で、陰に身をひそめるように立っている竹中にいきなり声をかけられた。
「ひっ!」
思わず叫んでしまったが冴子は気を取り直して固い表情のまま答えた。
「今は急いでいますので……」
「プレゼンの予行だろ。俺もオブザーバーで出席することになった」
営業部のプレゼンに技術部がオブザーバーとはいえ出席するなどあるはずがなかった。
「営業部のプレゼンにあなたが……」
「お前のハレの姿を拝ませていただこうかと思ってな」
おおかた無理に捩じ込んでオブザーバーとして出席することにこぎつけたのだろう。口元を嗤いで歪ませた竹中に嫌な予感がわいたが、発言権のないオブザーバーなら会議に加わることはない。
「もう時間が迫っていますので」
「どうせヒマな会議だ。そんなにあせるな」
大事な予行をバカにされて冴子は思わずキッと睨み返した。
「あなたにとってはヒマな会議でしょうね」
「そうだ、だから楽しい会議に変えようと思っているのさ」
竹中はプレゼンの資料を両手で抱えている冴子を休憩コーナーの奥へとおしやった。
「止めてください! 私、本当に時間がないのですから」
予行演習とはいえ、本番さながらの舞台に冴子の気持ちは昂ぶっていた。プレゼンの第一段階ともいえるこの日の為に分厚い資料を作成して、一から順番に説明するために順番通りに上から揃えてある大事な書類の束を投げ出してバラバラにするわけにもいかず、両手がふさがったままの姿で奥へと押し込まれてしまった。
「お前の仕事への情熱と俺の調教の成果、どっちが勝っているか目の当たりに見てやる」
上着のポケットからカプセルのようなモノを取り出した竹中は、壁際まで押しやった冴子のスカートに手を突っ込んでショーツに押し当てた。冴子はジリジリと振動するローターをクリトリスに当て込まれて思わず書類を落しそうになった。


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