第一章 ポンプ-31
「……前歯が折れちゃったじゃないかぁ……」
赤黒い口の回りに白い前歯が二本、頬に張りついている。冴子は我鏡のうちにコントローラーを片手で持って、そのまま小宮山の顔面に振り下ろしていたようだ。我を忘れて危うく命まで奪う事態にさすがに冴子は正気を戻した。
小宮山からクリップをはずし縛めをといた。ペニスから輪ゴムをはずすと透明な先走り汁に鮮血が混じって出てきた。
「ご苦労様、ご主人様。折檻はまだ、なさるおつもりかしら?」
グッタリして動けない小宮山に、口角をあげた笑みで冴子が妖しく微笑んだ。