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サディスティック・スパイラル
【SM 官能小説】

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第一章 ポンプ-15

12

何が起こったのかさえ分からずに逝っていた。逝った、というよりは気が飛んだ、と言った方が正しいだろう。
チューブに吸い付かれた瞬間に溜まっていた欲情がクリトリスに集中して、そのまま吸い取られていき、声すら発することもなく白目を剥いてしまった。
「あれぇ、効きすぎたかなぁ……。クククッ! うんと弱くしないとだめみたいだなぁ」
小宮山の間の抜けたような声が遠くでしている。
冴子は薄く開けた瞼から白目をのぞかせて引きつけを起こしていた。
小宮山が吸引力を一番弱くすると、ポンプから響いていた低音がほとんど聞こえないくらいに静かになった。
だが、冴子は吸引するトクトクとしたチューブの動きに連動して、身体全体が低周波の電気を流されているような動きをしている。両乳首とクリトリスが同時に吸引を受けると大きな淫波で身体が跳ねるような動きをしていた。
「うぐっ! うぐっ! うぐぅっ!」
身体の動きと同時に自然と呻きが漏れ出ている。薄目が徐々に開き、眠りから覚めてゆくと邪欲に蝕まれた肉体の疼きに悶え、のた打ち回た。
「おおおおうっ! もおおおっ! もうっ! だめえええっ! 赦しっ! 赦してええっ! くあああああっ!」
「ほら、『ご主人様、お赦しください』だろうがぁ、あん?」
「くわあああああっ! 止めてええっ!」
「だから、言ってごらん。『ご主人様』と」
海水から引き揚げられたイルカのように、汗で体じゅうを滑り光らせてのたうたせている。
高熱にうなされた時のような重くて息苦しいような感覚と常にくすぐり続けられているような感覚が混ざったような気分だ。
小宮山をご主人様と崇めることを拒否し続ける冴子は、嗜虐の性的拷問から責め続けられる。
絶望の淵に追い詰められ、逃れる道はないものかと見まわしても雨戸もキッチリ閉ざされた部屋からは音など決して漏らすまいとしている。その窓のサッシのガラスに自分の姿が写っていた。
弾む乳房の先端に取り付けられたチューブの管はまるで家畜の搾乳をしているようだ。広げられた股間からも管がのびている。実験動物のように固定され、淫靡な機械で、とろ火で炙られるように責められている貶められた自分の姿が鏡がわりのサッシに写し出されている。
「あああっ! ああああっ! 赦してっ!」
「そうだ。その調子だ。ふふふっ……。さあ、ご主人様といってごらん」
「ああああっ! 赦してくださいっ! もう、赦してっ!」
「ご主人様というんだ。ぐふふふっ、どうだ!」
喘ぎで上下する乳房を小宮山が延ばした手で絞り上げると無残に紡錘状に起立する。
「こうしてやるぞ」
直立した乳房を乱暴に振りたてると吸引されたままの乳首がチューブに摘ままれたまま捻り回された。どこを触られても全身が性感帯に変化してしまった身体には感電したように新たな震えを生じさせる。
「くわあああああっ! 赦してください! お赦しくださいいいっ! ぬあああああっ! だめえええっ! 逝くううううっ!」
ガックリと脱力した冴子を見て小宮山は小さく舌打ちした。
「逝きやがって、牝犬め。ふふふっ……」
冴子の失神を起こすように小宮山はポンプの吸引力を強くした。一度に三点吸引責めを強力にされて、しばしの冴子の休養はたちまち取り上げられてしまった。
「いつまでも優しくされると思われると困るな。そろそろ三点同時責めも飽きてきただろう。人間の身体は防御本能が働き馴れてしまうからね。でも僕はその防御を崩してやることができるんだ」
小宮山がポンプの制御装置を操作すると変化はすぐ現れた。同時に三か所を同じトルクとタイミングで吸引していたポンプがランダムな間隔と違うトルクで吸引し始めたのだ。三か所が同時に吸引されるのを、身体は知らず知らずタイミングを見計らって固くして防御していたのだが、そのリズムと間隔がバラバラに崩されると防御のしようがなくなる。
三か所が法則のないバラバラのタイミングで、しかも吸引力すら強弱をつけられると無防備の身体に次々と淫靡な電流を流されるような責めになった。
「ぬっ! あっ! きいいいっ! やっ! やめてええっ! うぐふっ!」
トクトクと右の乳首を連打すると思いきや、クリトリスを強く抉られる。左の乳首が吸引されたままクリトリスを転がされ、右の乳首をチリチリと細かく噛まれる。
コナーに追い詰められて連打を浴びせかけられ、ダウンすることすら許されないボクサーのようだ。
「壊れるうぅっ! 逝かせてええええっ! もっと強くしてええええっ!」
「うううぐふふふっ! だめだめ、これ以上強くしたら冴子は悦楽天国じゃないか。逝きそうで逝けない淫獄で彷徨わせてやる!」
冴子は拘束されたまま、まるで踊っているように身体をくねらせていた。
淫靡という蟻にたかられ体中を刺されるイモムシのように転げまわってい
た。



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