投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ルームメイト
【その他 官能小説】

ルームメイトの最初へ ルームメイト 0 ルームメイト 2 ルームメイトの最後へ

ルームメイト-1

俺の名前はマコト。ピチピチ(死語…)の18歳。
地元はコンビニもないド田舎で、俺は絶対東京に行きたかった。
高校卒業と同時に、夢だった一流料亭「まなびや」の面接を受け、皿洗いバイトをゲットした。
そん時の嬉しさっつったらシャレにならん。
下宿だから田舎は出れるし、うるせーかーちゃんともしばらくおサラバよ。
俺は立派な板前になれるよう修行を積みながら、可愛い彼女もゲット!
そして念願の……「脱・童貞」。
いやぁ〜たまりませんねぇ。
そんな妄想が止まらない毎日が続いたが、ようやく下宿の手続きが終わり、俺はソッコーで最低限の荷物をまとめ、「そこら辺にある段ボール、送っとけよ!」と一言残し、家族と田舎町の元をさっさと出た。
初めて乗る夜行寝台列車、初めての一人旅…
日記つけちゃいますか、俺!みたいな。
俺はハイなテンションのまま、眠れない夜を過ごした。
次の日ひたすら地図を見ながら、バスに乗ったり地下鉄に乗ったり。
夕方になってやっと下宿がある町に着いたら、そこは風情のある下町だった。
おお〜いいんじゃないの〜俺に合ってるね〜なんて思いながらトボトボ歩いていると、「まなびや」と書かれた看板があった。
さずが老舗の本店らしく、門構え、植木、庭石、奥に料亭という、気品溢れる素晴らしさ。
俺はわくわくする気持ちを抑えつつ、まずは下宿を探さねばと、再び歩き出した。
と、裏に古びたアパートのような建物発見。
一歩一歩近づいていき、入口の前で俺は呆然とした。

錆びた引き戸、鍵のない木窓、換気してないような陰気臭い共同下宿がそこにあったのだった。


……なんつー汚さ!!


ここじゃねーよなと思いつつ入口の引き戸を開けると、むせかえる男の匂いと洗濯物の山、しかもなんとなくイカ臭いような、湿気のこもった空気…。
……吐きそ。
その奥に続く部屋番号を見て思い出した。
そういや俺、4号室だっけ…。
想像以上にキツイ現実に呆然としていた時、後ろから声をかけられた。
「あら〜おめぇ今度入る新人か?私から鍵受け取って部屋に入るのが規則だっぺよ〜」
振り向くと、ちりちりパーマに丈短ジャージの、下宿のおばちゃんらしき図太い人が仁王立ちしている。
「あの…俺4号室って聞いてた…名前は加藤マコトです」
はぁ〜…現実はシビアだな…。
「はいはい4号ね。……あれ、鍵?こごにねぇな〜…なんでだっぺ?」
「無いって…」
もー帰りたい。
やる気ゼロの俺を尻目に、何故鍵がないか考えていたおばちゃんは、「あぁそうだっぺよ!」と何かを思い出し、俺にこう言った。
「4号つったらあれだ、もう一人のルームメイトが昨日から入ってっぺ」


…えーと、ナンデスカ?


ルームメイト?ルームメイトって、あの、なんだ、一緒に住む人?
ドラマとかで見たな、同居みたいな感じで一緒に住むやつ?
・・・・・・俺そんなの聞いてねーし!!
「ちょっと待ってよおばちゃん!俺の部屋って一人用じゃないの!?」
「4号はなぁ、ちっと広いがら、二人で使えるんだわ〜。こごは女禁で男しかいね〜がら、心配すんなぁ〜」
…心配の意味がわかんねー…。
俺はおばちゃんとギャーギャーもめた後、とりあえず部屋に向かった。
左右に4部屋ずつの間取り、俺は一番つきあたりの左の部屋だ。
おばちゃんから、「ルームメイトは『アキラ』って名前だ」と聞かされた。
よりによってなんで俺が二人部屋のクジを引いたんだよ。
彼女ゲットどころか男と暮らすなんて…あんまりだ。
とんでもないとこに来てしまったと思いながら、俺は「どーもぉよろしく〜」と部屋に入った―――――……


―――――あれ……?


ルームメイトの最初へ ルームメイト 0 ルームメイト 2 ルームメイトの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前