妖怪艶義〜すねこすり〜-1
――すねこすりは、日本の妖怪のひとつ。岡山県に伝わっており、人間の歩きを邪魔するものとされる。雨の降る夜に現れ、夜中道を歩いている人の股間(足の間)をこするとされる――(ウィキペディア「すねこすり」の頁より抜粋)
1
その日は雨が降っていた。
夜勤のヤツが遅れてきたせいで、店を出たのはいつもより一時間ほど遅かった。
いつもなら自転車だが、今日は雨のせいで徒歩だ。
時刻は午後11時過ぎ、夜の住宅街に通行人は俺だけだった。
不意に、足に違和感を覚えた。
何かがまとわりつくような・・・足元を見たがおかしなところはない。働きすぎて疲れているのだろうか。
しばらくは違和感を無視して歩き続ける・・・やはりおかしい。というより、違和感がどんどん‘上’に移動してきた。
最初はすねあたりだったのが、だんだんと膝、太ももときて・・・ついに股間に到達してしまった。
・・・っ。思わず、短い声を上げてしまう。股間の違和感が、焦らすような刺激に変わったのだ。
慌てて股間に目をやるが何も‘見え’ない。だがそうする間も、うずくような快感が送りこまれてくる。
どう考えても異常だった。でも俺は、もう少しだけこの快感を味わってみたい、そう思ってしまった。
とりあえず道の端に寄ってから、刺激に身を任せる。くすくすと、喜びとも嘲りともつかない声が、聞こえた気がした。
2
立ち止まってからの刺激は、さらに熱っぽくいやらしくなった。
ズボンの上から‘手のひら’を覆いかぶせ、中のモノを優しくもみしだく。かと思えば、今度は‘手のひら’が袋にかぶさり、タマを転がそうと蠢く。
ズボン越しなのが焦れったく、気づけば腰を突きだしていた。
執拗な愛撫にモノは勃起し、ズボンの中で上を向いている。その無防備な裏スジを‘手のひら’で何度もしごかれ、俺は腰をひくつかせた。
「ねぇ、おにいちゃん・・・」
不意に、すぐ後ろから声がした。
「すぐそこにろじがあるの・・・そっちに行こう?もっときもちよくしてあげるよ・・・」
見ると、5mほど先に路地の入り口があった。暗く、細い路地だ・・・あそこに入ってしまえば、人目をはばかることなく快感を味わえるだろう・・・でも、あんな路地は前からあっただろうか?
「ねぇ、行こうよ・・・つづきはあっちで、ね・・・」
誘う声。股間を這う‘手’も、撫でるようなもどかしい手つきで誘ってくる・・・
この‘手’で射精したい、イかされたい・・・もうそれしか考えられなかった。
操られるように路地の奥へと向かう。
路地は真っ暗で、ほどなくアスファルトの壁に行き当たった。行き止まりだ。
「ズボン、ぬいで・・・」
予想はしていたが、いざ脱ぐとなるとさすがにためらう。
「だいじょうぶだよ、だ〜れも来ないから・・・。それに、ぬがないときもちよくなれないよ・・・?」
さわさわ・・・と撫であげる感触が理性を溶かす。俺は意を決してズボンを引き下ろした。
「あ、おにいちゃんおもらししてる。はずかしいんだ・・・♪」
見ると、パンツに先走りのシミができていた。
「おにいちゃんって、もしかしてそうろうさん?」
ぬっ・・・と背後から伸びた手が股間をまさぐる。感触だけじゃない、はっきりと見える手が。
「あれ、おどろいた?もう‘見せて’もだいじょうぶでしょ?」
見た感じ、12〜3歳くらいの子どもの手だった。少女特有の綺麗な手。
さらに意識を凝らすと、腰より少し上に吐息が当たる感触がある。小さな女の子が、後ろから腰に抱きついている格好だ。
「さわられるとこ、見れたほうがいいでしょ?それに、ようじょにされるのってコーフンするんでしょ?」
後半は否定しておきたかったが、とりあえず黙っておく。
白い手が俺の股間を撫でまわす。パンツ越しとはいえ、ズボン越しに比べたら雲泥の差だ。柔らかい感触がダイレクトに伝わってくる。
「いいこいいこ・・・じゃあおまちかね、パンツぬがせちゃうね?」
少女の手がパンツを引き下ろす。勃起したモノが勢いよく飛び出た。
「きゃん、元気〜♪」
すぐさま少女の手が絡みつき、ゆっくりと動きはじめる。
「すっごいあつくて、かちかち・・・」
少女の手はやわらかく、俺のモノにしっとりと吸いついてくる。
「先っぽはおもらしでベトベト〜♪」
手のひらが先端を撫でる。濡れた鈴口をこすられ、腰が跳ねてしまう。
「弱点はっけ〜ん」
その反応に気を良くしたのか、少女は執拗に先端を責める。
ゆっくりしたピストンでじっくりとしごかれ、鈴口をやわらかい手の腹でこすられ・・・俺は腰をびくつかせた。
あまりの快感にまっすぐ立っていられず、壁に手をつく――必然的に、腰を後ろに突き出す格好になる。
「わ。おにいちゃん、こしつき出してる・・・♪」
背後から犯される女のように、股間をこね回される。
得体の知れない少女に弄ばれる羞恥も恐怖も、快感に流されていく。いやむしろ、それすら快感に変わっていく――