妖怪艶義〜すねこすり〜-2
3
「おちんちんさん。ど〜お、きもちい〜い?」
そう言う少女の吐息が、股間に吹きかけられる。
「かっちかちでぴくぴくしてるから、きもちいいってことだよね」
声の位置も、さっきよりずいぶん下だ――今俺はしゃがみこんだ少女に、勃起したモノを息がかかるほど間近で観察されている・・・そう理解すると、下半身に甘い痺れが走った。
「わ、またびくんてなった・・・おにいちゃん、もしかしてもうだしちゃう?」
少女が手コキを再開する。両手を組みあわせてつくった‘筒’で、さっきよりリズミカルにしごいてくる。腰を突き出した格好のせいで、まるで牛の乳搾りだ。
「おにいちゃんのちんちんおっきくて、こするたびにぬちゃぬちゃ音たてて・・・すごいえっちだよぉ・・・♪」
先走りを潤滑油がわりに、根元から先端まで激しくしごきたてられる。射精をうながす手管に、我慢がどんどん決壊していく。
「いつもは『こする』だけなんだけど・・・おいしそうなちんちんだからさあびすしたげるね。あ〜ん・・・♪」
次の瞬間、袋に生温かい感触がはりつく。その感触は、タマを追い回して乱暴に転がしてくる。
そこでようやく、少女の舌に舐められていると分かった。
「ふわぁ、すっごいオスのにおい・・・♪たまたまい〜っぱいなめるから、い〜っぱいきもちくなって、い〜っぱいせーし出してね?」
袋の付け根に、少女の鼻が当たるのを感じる。その下で、巧みに袋を這いまわる舌。さらにその下で、モノを包んで激しく律動する手。
少女の手と舌の感触はもちろん、自分が突き出した股間に少女がとりつき、玉袋に顔をうずめて奉仕しているという想像が、快感を何倍にも膨らませる。
「あは♪またにおいこくなった・・・もうでちゃう?もうだしたい?じゃあとどめいくよ?あたしのおててに、せーしいっぱいどぴゅどぴゅだして」
ぬるっ・・・と、生温かい感触にタマが包まれる。そのまま少女の口の中で、タマが激しく吸い転がされる。狭い口内で乱暴に舐めまわされ、痛いほどの刺激が突き抜ける。
小刻みなストロークでカリ首をしごかれ、射精感がどんどんこみ上げる。
「ほらほらいっひゃへ!」
袋を頬ばったまま言った少女に、音がしそうほど強くタマをバキュームされ、俺はあっけなく射精した。
痛みと快感がないまぜになった感覚に下半身の力が抜け、あとは精液が撃ちだされる快感だけを味わいながら、少女の手に最後の一滴まで搾りとられる。もしかするとあえぎ声すらあげていたかもしれない。
長い射精が終わり、俺は壁に突っ伏す。
「わぁ・・・こんなにいっぱい・・・」
余韻にひたる俺の後ろで、少女の声がする。空いたほうの手で精子を受けとめたらしい。
「いただきま〜す♪」
その言葉に、なにか液体を啜る音がつづく。・・・そう言えばあやかしの類には、人の精気を食らう者もいる、と聞いた覚えがある。
背後で俺の精液を啜る少女の姿を妄想し、またぞろモノが反応しそうになったのもつかの間、俺の意識は闇に落ちていった――
4
その後、目覚めたのは朝になってからだった。
通勤途中のサラリーマンに発見されたわけだが、ちゃんと服は着ていたので、もしかすると少女が律儀に着せていってくれたのかもしれない。ただあの路地と少女の姿は、影も形も無くなっていた。
あとで調べたところによると、あれは「すねこすり」という妖怪らしい。
雨の夜道で人の足の間をこすり歩きにくくさせるというが、まさかあんな性的な方法だったとは。基本的には無害な妖怪とも書いてあった。無害・・・どころか気持ちよくしてもらっただけだが。
あんなのにまた会えるなら雨も残業も悪くない・・・などと思いつつ、今日もまたバイトに向かう。
夜からは雨らしい。・・・傘を持って徒歩で行くことにしよう。