覗かれた優子-3
『優子ちゃん、見える?』
「え、ええ」
覗き魔の男どもに聞かれれば、罵声を浴びせて怒鳴り返すところだったが、相手が大人の女性だったので優子は取りあえず素直に返事した。
『これはね。あたしたちゲストがマスターに頼んで作って貰ったのよ。でないと、協力しないって脅したんだけどね』
「どうしてそんなことを?」
『だって、せっかく楽しいことしたのに、それだけで終わったら勿体ないじゃないの』
「へっ?」
『次にいつ有るかわからないのよ。だからもう一度同じ興奮が味わえるように頼んだのよ。本当はゲストの撮影は禁止だったのをマスターに認めさすのに苦労したのよ』
画面の陽子が楽しそうに言った。
『優子ちゃんも、昨日の余韻に浸りたくて、このサイトに入ったんでしょ』
「えっ…」
痛いところを指摘されて、優子は口ごもってしまった。
『なら、いいじゃない。見られながらするオナニーも痴漢に触られるくらいに興奮するわよ』
「でも…」
『あら、昨日はあんなに悦んでみんなに見せていたのに、ここで見られるのは嫌なの?』
改めて聞かれて、優子は戸惑ってしまった。
『本心を言いなさい』
「そ、そんな急に言われてもわからないです」
『あのね、人間て基本的に嫌なら、急に言われても答えは嫌なのよ。それが直ぐに出てこないということは、本当は見られて嬉しいんでしょ』
優子は少し考えた。言われてみればその通りのような気もするが、すんなり認めるわけにはいかない。
「そんなことないと思います…」
『本当のことを言わないとダメよ優子ちゃん』
「本当よ…」
優子の声が小さくなった。
『じゃあ優子ちゃん、今度は『ALL』のボタンをクリックしてくれる』
優子は言われるままクリックした。すると出てきた画像を見て優子は驚いた。
残りの2人は全裸で画像に映っていたからだ。
『こんばんは、優子ちゃん。昨日は楽しかったね』
大人しい顔をしながら山下寛子が言った。寛子は少し引き気味のカメラで弄っている股間を見せていた。
『はじめまして、昨日は参加できずに残念だったわ。優子ちゃんのエッチな画像を見ながらオナニーしてたところよ』
初めて見る顔はこちらも全裸の主婦の中村里美だ。
「は、恥ずかしく無いんですか?」
優子は呆れかえって2人に聞いた。
『もちろん恥ずかしいわよ。だからやってるんでしょ。優子ちゃんも意味はわかるはずよ』
陽子がみんなを代表して答えた。
「そ、そんなのわかりたくありません」
『あらあら、まだまだ若いのわね。でもそんな若さが羨ましいわ。じゃあ、どうする?』
「どうするって?」
『このまま退会してもいいのよ。退会したら優子ちゃんの画像は全部処分するから安心してね』
「えっ?退会…」
突然突きつけられたことに優子は戸惑ってしまった。
『そうよ、ゲストに嫌がることを強制したらマスターに怒られちゃうからね。どうする?』
陽子はゲストにというところを強調して意味ありげに微笑んだ。
「そんなこと急に言われても、どうしていいか…」
『今、ここで決めなさい。でないとあたしの権限で優子ちゃんを退会にします』
陽子の高飛車な態度に優子はカチンときた。
「何の権限ですって!なんで貴女にそんなことを決められなくちゃいけないんですか?」
『権限?権限はあるわよ。だってあたしはここの実質的管理人なんですもの』
「へっ?」
『そう、マスターのお手伝いをしてこのサイトを作ったのはあたしなの』
「えええっ!」