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【青春 恋愛小説】

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17-5

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踏み入れた部屋は予想を凌ぐ広さで、内装も豪華だ。

鉄弥の涙目のお会計は、これだけである程度報われた気がする。


暫くはこの未知の世界に二人で感動していた。


バスルームを見ては感動し、広々としたベッドを見ては感動し、大きな液晶のテレビを見ては感動し、ベッドサイドに置かれたコンドームを見ては、無言になった。


改めてこの部屋の意味を知る。


凜子と、二人。

鼻血が出そうだ。

凜子も目が泳いでいて、小さくまとまってベッドの端に座っている。


「鉄弥くん....」

「はい.....」

「すごい.....ですね...」

「はい.....」


会話が続かない。

ふと鉄弥の目に、テレビ台の傍にある冷蔵庫が目に入った。

酒、つまみ、ソフトドリンク。


「凜ちゃん、何か飲む?」

「あ、じゃあオレンジジュースを....」

「.....了解」


凛子にジュースを手渡し、自分はビールを開ける。

酒の力に頼るつもりでもないが、縋れる物は多い方がいい。
次いでに煙草に火を点けた。


「鉄弥くんて、ビール好きなんだよね?」

「そうそう。よく知ってんね」

「前にね、元くんが言ってたの。鉄弥くんはビール、元くんは焼酎好きだっけ?」

「そうそう。麦好きでさ。凜ちゃんは酒は?」

「私はね、強くないんだけどビール派かなぁ」

「あ、そうなの?まだ入ってるけど、ビールにする?」

「あ........じゃあ、そうしようかな....」


二人で酒を飲んでいると、不思議と気もほぐれて会話も進んだ。

最初の緊張感もなく、笑いが絶えない。


中学時代の話から最近の話まで。

当初の目的は二人とも完全に見失っていたが、それ以上に会話に花が咲いた。



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