16-3
は「ちょ.....ちょっと待て。なんかもう....あっちゃんの手前聞いてらんねーよそんな話...」
て「俺も....」
り「でも白黒はっきりさせたいんでしょ?暁生君のためでしょ?」
は「そうだけど....」
り「でね、その決まった曜日ってのが、今日。木曜なの」
て「へぇー...」
り「これは、チャンスっしょ!」
は「は?」
り「だからね、張り込みよ!」
て「デカかてめーは」
り「でも確実に証拠を捉えるチャンスなんだよ?」
は「てっちゃん、凜ちゃんと行ってこい」
て「はぁ!?お前行かないつもり!?」
は「すまん、今日美帆と約束ある」
て「じゃ美帆ちゃんも一緒でいいじゃん!」
り「同じ大学の同じ学年なんだから、バレたらマズくない?」
て「.....えーっ...」
は「お前、まさか凜ちゃん一人で行かせる気じゃねーだろーな?」
て「えっ、いや...」
り「私は平気だよ、一人でも...」
て「.....んー..................よし!行こう!」
暁生には本当に心の底から申し訳ないと思いつつ、元はこれを機に鉄弥に浮いた話が出来ればなと思っていた。
鉄弥はモテないわけではないし、告白も度々されるのだが、付き合おうとしない。
一時期ゲイ説が浮上したくらいだったが、あくまでもノンケと言い張る鉄弥。
凜子のことを気になってそうな今が、チャンスだ。
元は、心のなかで再び暁生に頭を深々と下げた。