思ひそめてん-8
私の目を見つめながら飲み終わったコップをテーブルに置く。
私も目をそらすことはできない。
「好きって言ってください」
「言葉が欲しいか?」
「逆です。言葉だけでいいんです」
「明日になったら忘れるのか」
「忘れられます」
涙なんか流さない。
寂しくなんかない。
だから、一言でいいの。
「好きって言って」
「言葉はやれない」
「意気地なし」
私は腕を伸ばして無理やりレン先輩にキスをした。
「明日になったら、何もなかったように忘れるから。
たとえ覚えていてもお酒のせいだって思うから。
好きって言ってくれないなら・・・お願い。せめて抱いて・・・・」
目を見開いた後。次の瞬間、レン先輩は私に噛み付くようなキスをした。