終章-2
「でも、あの旅館って、私たちが泊ってから大盛況なんですってね。やっぱりあたしたちって、あげまんなのかしら」
「そうそう、一般客は元より、月一の乱交デーも口コミで大盛況みたいよ」
このままでは経営の行き詰まりを考えていた旦那と女将は、あの日を切欠に乱交客を密かに募集する日を設けることにしていた。
生き残りを掛けた経営戦略だったが、何より、本人もスタッフも悦んで接客するのでそれがプラスとなり、さらに口コミが広がっているようだ。
この切欠を作ったこの一家に足を向けて寝られないので、卑猥な部分を向けて寝ますと毎回のように書いてくる。
よっぽどのこの一家に感謝しているのであろう。
あの日、この一家が行った痴態の数々は、乱交の名物メニューとなっていた。
乱交参加の女性客は、自宅から赤マムシドリンクの瓶を女性器に淹れてこないといけないらしい。麻耶は受付でその瓶を3回出し入れする係りになっている。
台車プレイ、百万円以上する有田焼の壺への放尿プレイ、ソープランドプレイ、ぷるぷる競争。
ストリップ劇場と提携した「ストリップ体験ツアー」も好評だ。もちろん鑑賞ではなく出演体験だった。ラストはスポットライトの当たる中での乱交でフィナーレを迎える。
陰部での書道プレイに加えて『まん拓』も行ったらしいが、墨がなかなか落ちないので一回で中止になった。それに変わって、コピー機に乗って『まん拓』することになったそうだ。そのコレクションのデジタルデータは毎回美弥子まで送信されている。
また、乱交参加者の中で、良識のある者たちを【おまんこクラブ】に勧誘していて、その勧誘状況は美弥子に報告されていた。
そして、晴れてクラブに入会が叶った乱交参加女性は、エロ女として改造されなければならないルール。今では専門家が来て脱毛して貰っているが、毛抜きで抜かれるオプションもあるとのこと。これが結構人気だそうだ。
旅館独自の発想の名物メニューもある。女性客に人気があるのは、『板長の鮑料理と逆鮑コース』だ。
板長が全裸で鮑料理を作り、勃起する様を女性客が楽しみ、食事の後に、女性客の鮑を板長の黒光りするモノに喰わす特別メニューだ。
威厳に満ちた「オラオラオラ!」の掛け声は、一度嵌められながら耳にした女性客は、その声がしばらく耳に残ると言う。
そして取っておきは、美弥子が命名した名物メニューだろう。
「ああん、また、『おまんこサークル』したいわねえ」
姫美以外の3人がそれを想像しながら、自分たちの股間に手を伸ばした。
「あああん、ここに色んなオチンチンが入るのよう、ああん、気持ちいいい」
3人が銘々に自慰行為をしだしたので、取り残された姫美も慌てて自分の感じる部分を弄りだした。
部屋の中には、なんとも言えない淫靡な香りと湿気が充満する。
ピチョピチョと水音が鳴り、女たちの喘ぎ声が合唱する。
「はあん、はあん、おまんこ、さいこー」
誰が言ったか知らないが、それを合図に4人が揃って絶頂を迎えた。
「イックウウウウウウ」
おしまい。