大浴場 大欲情が故に忘れられた者-1
【大浴場 大欲情が故に忘れられた者】
「あ、あの…」
夫から卑猥な秘部をみんなに見せろと言われた姫美だったが、いざ改めてみんなの視線が、自分の股間に集まったのを意識すると、躊躇してしまう。
ついさっきまで、大股開きで陰毛を抜かれた時は、基本的に1対1の対面だったので今とは人数が違う。
その後に、鏡に映しながら痴態をさらけ出した時は、あくまでも自分自身でパイパンを見るためだったから、みんなに見せるために股を開くのとでは根本から意識が違った。
普通に考えると、ごく普通の新婚主婦が、多数のギャラリー達の前で女性器を晒すなんてあり得ない事だ。
(主婦のあたしが、みんなにおまんこ見せていいの?)
植え付けられた道徳観が枷となり、例え愛する夫の指示でも、卑猥な縦スジの中身を晒すには、主婦にでも納得の出来る大義名分が必要だった。
今更ながら、もじもじしている姫美の姿を見た恵子は、引っ込み思案だった過去の自分と、今の姫美が重なって見えた。
過去、そんな自分をいつも励ましてくれていたのは姫美だった。今度は自分が励ます番だ。
「姫ちゃん、大丈夫よ。あなたのおまんこを見せて、みんなを幸せにしてあげて」
恵子は優しく姫美を励ました。
「あたしのおまんこでみんなを幸せに…」
「そうそう、きっとみんなが元気になるわよ。ねえ、皆さん、そうでしょ」
「そうだそうだ」
「それはもうモッコリと幸せになるな」
「元気を貰って愛液ドバドバで幸せよ」
ギャラリー達も一様に恵子に同調した。何せお調子者ばかりだから、何でも直ぐにもノってくれる。
恵子の励ましと、ギャラリー達に勇気を貰った姫美は覚悟を決めた。
「み、みなさん、今からオナニーします。あたしのエッチなおまんこ観て下さい…」
俯き加減の姫美が恥ずかしげに宣言した後、みんなが見守る中で腰を下ろして、そのまま仰向けに寝転んだ。
そして足を開くと、その部分がハッキリと見えるように、膝裏を抱えて『赤ちゃんがおむつを替えるポーズ』を取り、卑猥な部分をさらけ出した。
「うほ!アナルまで丸見えだ」
その声に益々恥ずかしくなった姫美は、さらにハッキリ見えるようにバストに太ももに当たるくらいに『赤ちゃんおむつポーズ』を進化させた。
「いやあん!まんこがヒクヒクしてるう。活き鮑みたいね」
その佐代の言った言葉に、ギャラリーの中でピクンと反応する者が1人居た。
(活け鮑?)
「はあ、はあ、見られてる…、はあ、はあ、あたし、見られてる…、はあ、はあ」
みんなの熱い視線を股間に感じた姫美は、恥ずかしさがどんどん増してきた。姫美にとって恥ずかしいは性的に興奮することを意味している。
「ああん、は、恥ずかしい…、ああん、温泉なのに…、ああん、そんなエッチな目でダメえぇ、ああん」
見られることで興奮が加速する姫美のオナニーショウが始まった。
両手を使い、人差し指でクリトリスの上部を抑え、もう一方の人差し指で、クリトリスを挟むようにグリグリと、刺激する。
指の動きに合わせて、姫美の女体はぴくぴくと痙攣を繰り返した。
「可愛い顔して、すっげ〜エロいオナニーするな」
「あんなに身を捩ってのけ反っちゃって、ああん、興奮するう」
ギャラリー達が興奮で騒ぐ中で、姫美の姿にさらに2人の者が興奮とは違う反応を示した。
1人は新司の母の瞳。姫美の自慰行為に既視感を感じた瞳は、何か大事なことを忘れているような気になっていた。
(何だろ?誰かがオナニーしていて、その後で何か有ったような…)
そして思案顔の瞳は、同じく隣で思案顔をしながら首を傾げる恵子に気が付いた。
「恵子ちゃん、姫ちゃんのオナニーを観て何か感じない?」
「お義母様もですか?私も姫ちゃんのオナニーがデジャブーなんです」
「当然だろ。2人とも毎日オナニーばかりしてるんだから」
横で聞いていた新司が恵子と瞳の乳首を指で弾いて茶化した。
「やん!新司さんたらあ、そんなんじゃないのよ。何か忘れているような気がするんだけど…」
「そうなのよねえ、何だろ?」
お互いに首を傾げながら、エロシンクロしている2人は同じ方向に視線を流した。
丁度その時、佐代の言った『活け鮑』に反応し、同じく姫美の自慰行為に既視感を覚えた旭が、思案顔で彷徨わせた目線が恵子と瞳に向かっていく。
不思議と視線が絡まり合う三人。そして瞬時に大事なことを思い出した。
「あー!板長!」
三人が同時に声を上げた。
今の姫美のように、厨房で恵子が始めた見せるオナニーショウが切欠で起こった出来事。それを3人は次々に繰り広げられる淫らで楽しい行為によって、すっかり忘れていたのだ。
「大変、探さなくっちゃ!」
恵子の声が大欲情に沸く大浴場に響いた。