大浴場 大欲情が故に忘れられた者-2
エロい場面に似つかわしく無い切羽詰まったその声に、訝しく感じた姫美も虚ろな目を恵子に向けた。
しかし、姫美の虚ろな視線に焦点が合ったのは恵子では無く、その背後の脱衣場の扉から浴場を覗いていた1人の男の姿だった。
姫美の目に映ったのは、白い服を身にまとった男が、自分を凝視しながらズボンを下げて前のめりに黒光りするモノを賢明に扱いている姿だった。
「きゃあああああああ」
姫美はその男の執拗な視線に驚きの叫びを上げて、慌てて胸と股間を隠して身を縮めた。
今までギャラリーに散々痴態を晒していながら、今更ながらなのだが、その者の視線はギャラリー達の温かいエロ目線とは異質の危機迫る物を姫美は感じたのだ。
「ど、どうした?」
姫美の豹変に驚いた夫は姫美の裸体を抱えて聞いた。
「の、覗き魔…」
「へっ?覗き魔?」
淫らな者たちは姫美が怖々と指差す方向を一斉に見た。そしてそれぞれが違った反応を示した。
「あっ、板長!」
女将を始め旦那と佐代と麻耶の旅館のスタッフは、板長の存在をすっかりと忘れていた事に気が付いた。
旦那が申し訳なく思っているその横で、女性たちは板長の黒光りのイチモツに釘づけになり、そのイチモツの参加を強く望んだ。
恵子、瞳、旭の3人は板長の無事な姿を見てホッと安堵の息を付いた。
新司と忠は黒光りするイチモツと、自分の股間で頑張るイチモツを見比べて、一瞬苦渋の表情を浮かべた。
ストリップ劇場の支配人は、いつも威厳を醸し出している板長が、鬼気迫る感じで股間を扱くのを驚いて見ていた。
そして、一番の問題は姫美の夫だった。
「オレの姫美を覗きやがって!」
こんな状況下でそのことに憤るのも如何なものなのだが、可愛い妻を驚かす者の存在が許せなくて、姫美の夫は板長に敵意を向けて駈け出した。
「大変、止めなくっちゃ!」
恵子と瞳と旭も後を追って駈け出した。
それを見ていた元祖エロ女はハシャイだ。
「きゃあ、オチンチン左右にプルプルしてるう。やあん、おっぱいも〜」
その場に残った美弥子は、全裸で走る男女の状況を楽しんだ。さっき自分で走っていた時は気づかなかったが、走る時に揺れるプルプルしているのモノは、見ていて卑猥で楽しかった。
「ねえ、女将さん、みんなで『プルプル競争』をしましょうよ。廊下を使ってもいいかしら?」
「まあ、それはステキなアイデアですね。勃起チンポとおっぱいをプルプルさせて走るのを見たら、凄く興奮しそうだわ」
女将はそう言いながら自分の胸を左右にプルプルと振って賛意をしめした。尊敬する美弥子の言うことには女将は何でも賛成だ。例え外で走れと言われても賛成していることだろう。