ほ乃花-6
うぶな娘の乳房と、曲がりくねる股間の割れ目を、彼はその手で溺愛するのだった。
「可愛い愛娘をレイプする父親がどこにいるというんだ。そうだろう?どうなんだ?こうして欲しいのか?」
泉水守人は、愛紗美というかけがえのない家族を、自分の思い通りの色に染めていく。
彼の愛撫した部分は明らかに火照っていて、生々しく紅潮していた。
「先生、やめてあげてください。彼女はまだ高校生です。もっと別な愛し方があるんじゃないでしょうか」
「私がどんな愛し方をしようが君には関係ない。それとも、君が私の新しい妻になってくれると言うのなら、娘を許してやってもいいのだよ」
「そんな……」
私が絶句するそばで、彼の指が未成年の膣をぐずつかせる。
そこから透明な液がしとしととこぼれ落ちて、彼女はついに泣き出してしまう。
「ならばこうしよう。もう一度だけ、君なりの言葉で私を誘うんだ。私が君をあきらめられなくなるくらいの台詞でね」
汗にまみれた筋肉が私を見下ろしていた。
何を言おう。
わからない。
果たして彼の望むものが私の中にあるのだろうか。
とりあえず床にお尻を着いて、両脚を外側いっぱいにまで開き、左手で胸を、右手で性器を乱暴に触った。
「私は、レイプされて、悦ぶ女です……」
「それから?」
「あのう……、二日に一回は、オナニーしちゃいます……」
「だから?」
「びちょびちょになった、お……まん……こに、来て欲しいんです……」
「クスコを使った触診に魅了されたんだね?」
「はい、先生……」
「ヘラクレスのような異物に興奮する性癖があるんだね?」
「はい、あります……」
「臨月だろうと、ぎりぎりまで男に抱かれたいんだね?」
「はい、そうです……」
「ならば私の子どもを妊娠してもいいと、そう言えますか?」
「それは……」
思わず口ごもっていた。彼のペースに流されてしまう前に、ある人物の顔が浮かんだからだ。
「篤史さん……」
もうずいぶんと久しぶりにその名を口にしたような気がする。
二つの夢の中に住んでいた彼は、私の作り上げた幻想だった。
ならば現実の彼は今、どこでどうしているのか。
それは、私の薬指で光り輝くリングが語っていた。
私は思い出した。
私たちは入籍と挙式を目前に控えていながら、彼だけが不運な事故の犠牲になったのだった。そして私だけがここにいる。
受け入れなければならないのは淫らな夢じゃなくて、今ここにある現実なのだ。
熱い涙が頬をつたっていく。
ごめんなさい。あなたの子どもが欲しかったのに、こんな男の汚い精子で、尊い卵子を寝取られる私をどうか許して──。