ほ乃花-5
四つん這いになった私の背後から獰猛な生殖器が飛びかかってくる。
じゅぱんっ、じゅぱんっ、びちゃん、びちゃん。
ペニスはヴァギナにしか興味がない。
本気のセックス、本気の営みの果てには、ただの男と女しか残らない。私と彼しか残らないということ。
夢の何倍も気持ちいい現実。
私は何度も絶頂し、何度も許して欲しいと懇願した。
彼は何度も射精し、何度でもやらせろと威張った。
そして、愛しているとも言った。
今度こそ私はだめになる。
私を失神させるだけのものを泉水医師は持っていた。
ザーメンでいっぱいの膣を持て余していた、そんなときだった。
病室のドアの鍵が外側から外され、そこから誰かがあらわれた。
そして私たち二人を見つけるなり、こう言う。
「パパ、もうやめて！」
夢の中で出会った女子高生、愛紗美がそこにいた。
泉水守人のうろたえようを見れば、彼と彼女が親子関係にあることは疑いようがなかった。
全裸の私も当然うろたえた。
「愛紗美、ここには来るなと言ったはずだ。早く出て行きなさい」
「その女の人にひどいことしないで！」
娘は父親に向かって興奮気味に訴える。
「違うんだ。彼女はね、小村奈保子さんは不妊治療をするために、私を頼ってきたんだ。私だって産婦人科の医師だからね。愛紗美にはまだ理解できない世界かもしれないけど、大人には大人の事情があるんだ」
「事情、事情って、結局セックスがしたいだけじゃない。そうやってあたしのこともレイプしたくせに。ひどいよ、パパ……」
少女は涙ぐみながらこちらに歩み寄ってくる。
そして私のことを奪うと、その清純な制服に自ら手をかける。
「愛紗美ちゃん、何をしてるの？」
「奈保子さんはあたしの夢を見たんでしょ？あたしも見たよ、奈保子さんの夢。あたしを痴漢から助けてくれた。だから今度はあたしが奈保子さんを助けなくちゃ──」
あどけなく唇を噛んだままうつむいて、発育の進んだ体をさらけ出すように彼女は下着姿になった。
たちまち若いフェロモンの匂いが漂ってくる。
この私の代わりに、実の父親に抱かれようと言うのだ。
「愛紗美ちゃん、だめ。あなたはもうこれ以上汚れちゃいけない」
言ってみるけれど、彼女は聞き入れようとはしない。
花瓶のように白い肌から白い下着がすべり落ちて、かつての自分に似た淡麗な肌が露出された。
「愛紗美をレイプしたつもりはない。だって、あんなに愛し合ったじゃないか」
彼の目は異常だった。
これまでの淫らな治療のせいで、私の体はもうくたくたに疲れ果てていた。
愛紗美の申し出を止めさせることもできない。