は乃花-10
「恥ずかしい……です」
「恥ずかしがることはありません。これがあなたの反応なのですから」
彼の手から、私の愛液がずるずるとこぼれていく。
「それでは、もう少し拡張を進めましょう」
彼の指がまたしても私の貞操を破る。
「入れていきますよ」
五本目の指が、くる。
「いんん……んはっ、はあ……うん」
それはもう指ではなく、手が挿し込まれた感じがした。
汚らしく、しかし感動的な光景だと思った。
尿道からいきおいよくおしっこが出て、膀胱が空っぽになると、膣内からもしぶきが上がる。
子どもを産むための穴だといっても、さすがに限界はあるはずだと、彼を体で受け止めながら私は思った。
それなのに──。
「見てください、すごいことになっていますよ。小村さんの中に、僕の手の半分が入ってしまいました。わかりますか?」
はい、わかります、と頷いて、私は下唇を噛む。
妊婦でもないのに、お腹が窮屈になっていく感覚がある。
子宮が熱く、頭の中は真っ白で、喉がきりきりする。
彼の腕の筋肉がむくむくと盛り上がる。
次の瞬間、味わったことのない性的なストレスが、すぐ下から突き上げてきた。
「んく、いい、ううん……ふっ」
成人男性の握り拳が今、膣内に詰め込まれた。
ずっしりと重たい快感、それしかわからない。
「この方法で何度か拡張させてやれば、出産時の会陰切開は回避できます」
「せんせい、せんせ、い……」
「どうしました?」
「私、妊娠、できますか?」
「もちろんです。あなたの中を診るかぎりでは、どこにも異常はありません」
泉水医師は言いながら、拳をぐるぐると動かして、子宮口や膣壁の粘膜を細かく調べている様子だった。
中にたまった汁をびちゃびちゃと外へ撒き散らし、クリトリスにも興味を示して撫でてくれる。
乳首から滲む母乳を口で吸い取ることも忘れない。
「私も治療に加わります」
つねに冷静だった佐倉麻衣が、私の有り様を見て、興奮気味にそう言った。
ジェラシーに似たものを瞳に浮かべて、ここにいる誰よりも私のことを色目で見つめている。
「妊娠してるとわかっていても、我慢できないことだってある。だって私は、女だから……」
美麗な顔を火照らせた彼女が手にしたもの、それが避妊具であることはすぐにわかった。
「おねがい……」
懇願し、それを私に持たせる。
「これを指にはめて、私を慰めてください……」
彼女の言いたいことはすぐに理解できた。