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美白仙とヤン・ユウホワン
【歴史物 官能小説】

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生まれた赤子-1

8世紀の蜀の国でのことであった。

白家の分家の娘で他家に嫁いだ者が男の子を生んだ。

嫁ぎ先の村では魔性の子が生まれたと恐れた。

というのは赤子の舌が真っ黒だったからだ。

汚れた舌を持つ者として忌み嫌われたとき、本家から使いが来た。

白家の最も権力のある家長が母親に赤子を見せろと言った。

なるほど舌が濃い褐色で通常の色ではない。

次に要求されたことは母親の乳房を見せろということだった。

それを確認すると白家の家長は母親に告げた。

「その赤子は美白仙だ。本家が引き取って跡継ぎにする」

家長は金銀を入れた袋を婚家に渡すと母親もろとも連れ去った。

夫は不吉な赤子とそれを生んだ嫁がいなくなり、代わりに金銀を貰ったので喜んだ。

その後、赤子はすくすくと育った。

また、母親は本家ゆかりの者に嫁いで多くの子をなしたが、舌の黒い赤子は二度と生まれることはなかった。

例の赤子は白家では家長の次に偉く、大事に育てられた。

また10代に入って間もなく女人をあてがわれ、性欲に飢えることもなかった。

だが彼には名前がなく、美白仙という名前が与えられただけだった。

彼が15才になったとき、初めて美白仙の意味を教えられ仕事を与えられた。

白家の家長は言った。

「白家には代々黒い舌を持つ者が生まれ、美白仙という名を継いだ。

我らの普段の生業は農作だが、美白仙の仕事の依頼があると、多くの財宝を手に入れることができる。

我らは本家筋で美白仙が生まれるように血の系統を守って来たが、先代が死んでからしばらくこの座に空白があった。

お前は15才になったので、これから家長としてだけでなく美白仙として白家を栄えさせることになる」

そして、家長は仕事の内容を彼に告げた。

こうして正式に美白仙となった少年は家長の印も授けられ白家の顔となった。

 


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