君の出した答え-6
これくらいで照れてどうすんだよ。
この分じゃコイツは芽衣子の尻に敷かれちまうな。
少し先の未来の二人を想像すると、プッと噴き出しそうになる。
「……いいけど、あんまり遠くは行けねえからな」
渋々……と言う口調の割に、久留米の顔はだらしなく緩んでいた。
まともなデートができることがよっぽど嬉しいと見た。
「園田、見ろよ。
久留米のだらしねえ顔！」
俺は、横にいる園田の肩をポンポン叩きながら笑った。
しかし、園田はじっと俺の顔を見つめているだけ。
「散々久留米さんの応援してた私が言うのもなんだけど……いいんですか、手島さん？」
やけに心配そうな顔でこちらを見ている園田に、調子が狂う。
そういや、俺が芽衣子の幸せのために身を退く決断を下して以来、園田はわざと俺を怒らせるようなことを言わなくなった。
コイツもそれなりに気を遣ってくれてんのかな。
俺は少し目の奥が痛くなったけど、
「……ああ、これでいいんだ」
と、目にゴミが入ったフリをして、パチパチまばたきをして痛みをごまかした。