君の出した答え-18
すると芽衣子は申し訳なさそうな顔をして、
「……あたしは、ロケット花火なんてご近所に迷惑だから止めようって言ったんです。
なのに、彼があっという間に花火に火をつけちゃって……」
と、久留米の腕をグイッと引っ張ってオヤジの前に突き出した。
「はあ!?」
久留米は驚いたように振り返って芽衣子の顔を見た。
だが彼女は一向に知らぬふりで、さらには久留米のスーツのポケットに手を突っ込んだ。
そして、さっき芽衣子から取り上げた爆竹を探り当てると、それをオヤジに見せた。
「ロケット花火だけじゃなく、爆竹にまで火をつけようとしてたから、必死に止めてたんですけど、その声もうるさかったみたいですね。
彼のこと止められなくて、本当にすみませんでした」
芽衣子がしおらしく丁寧に頭を下げると、オヤジは久留米に向き直って鋭い眼光で睨みつけた。
「ほう、そういうことだったのか……」
オヤジは久留米の顔を下から睨むように見上げた。
久留米よりも10センチくらいも背が低いくせに、オヤジのその威圧感はものすごい。
「えっ、違……」
しどろもどろになる久留米だったが、芽衣子のせいにするにもできず、ただうろたえていた。