君の出した答え-14
「でも、怒れねえのは惚れた弱みって奴なんだよなあ」
「…………」
芽衣子は黙って久留米の背中にそっと手をまわした。
「悪ふざけが過ぎても怒れねえなんて腑抜けもいいとこだな。
ホント情けねえ男だけど、でもこれだけは約束する。
オレ、お前のこと絶対幸せにするからな」
久留米はそう言ってゆっくり芽衣子の身体を離して、彼女の顔をじっと見た。
しばし見つめ合う二人に、嫌な予感がした俺は、
「園田っ、ネズミ花火持って来い!」
と、園田に向かって叫んだ。
「はい、手島さん!」
しかし、奴はネズミ花火の残骸を俺の顔面に投げつけてきやがった。
「おめえ、未使用の奴に決まってんだろうが!
気の利かねえオッサンだな、マジで」
俺は園田を一睨みしたが、芽衣子達がいい雰囲気になると怒り出すいつもの俺に戻った途端、
「だって、せっかくいい雰囲気なのに邪魔しちゃ悪いでしょ」
と、また俺の神経を逆撫でするようなことを言いながらも、なぜか嬉しそうに笑っていた。