君の出した答え-13
「おいっ! いいかげんにしろ!」
ひとしきりネズミ花火攻撃をかわした久留米は、少し怖い顔でツカツカと芽衣子の元へ歩み寄った。
芽衣子もさすがにやり過ぎたと思ったのか、バツの悪そうな顔になる。
それでも久留米は怖い顔でジロッと芽衣子を一瞥してから、ライターを持っていた芽衣子の右手をグッと掴んだ。
この悪ふざけが俺だったら、次には容赦なく奴の拳骨が頭に振り落とされることになる。
久留米ならまさか芽衣子にそんな真似はしないと思うが、彼女は少し怯んで目を合わせずにいた。
久留米は、そんな芽衣子の頭に軽くノックをするようにコツンと叩くと、
「ホンットしょうがない奴だよ、お前は……」
と、呆れた声で芽衣子をグッと抱きしめた。
「あーっ! コイツ、俺が同じことすれば思いっきり殴るくせに!
このえこひいき野郎、スケベ!」
俺はついつい声を荒げて、抱き合う二人の傍らでブーイングをした。
「だって、あなたと有野さんじゃムカつく度合いが違いますもの。
私が久留米さんの立場でもそうしてますよ。
だいたいあなた、この二人のこと認めたんじゃなかったんですか?」
園田はニヤニヤしながら俺を見た。
「認めたよ! でも俺の目の前でいちゃつくのはまだ許せねえんだよ!
クッソー、調子乗んなよお前ら!」
鼻息荒く怒り狂う俺に、園田はクスクス笑いながら“どうどう”と宥めてきた。
「……久留米くん?」
その一方で、抱きしめられた芽衣子は、ほんのり頬を染めて硬直していた。