君の出した答え-10
やたらたくさん花火を買い込んだ俺達は、ギャーギャー騒ぎながら花火を楽しんだ。
手持ち花火には目もくれず、ひたすらロケット花火を連発で打ち上げたり、ネズミ花火を久留米の足元に投げ込んだりと、イタズラ三昧の俺。
そして、久留米に怒られる俺を見て芽衣子がキャハハと大口開けて笑う。
彼女の楽しそうな顔がただ嬉しくて、久留米に拳骨を振り下ろされながらも、俺は芽衣子にニッと笑いかけた。
芽衣子も白い歯を見せて心底楽しそうに笑い返してくれた。
今、久留米と二人で花火をしてる芽衣子は、あの頃となんら変わらない楽しそうな顔をしている。
芽衣子の笑顔が大好きなのに、俺のいない所で楽しそうに笑う彼女を見ると悲しくなってくる。
お前はホントに俺のことなんて、どうでもよくなっちまったのか?
芽衣子が何を考えているのかさっぱりわからない。
俺達の思い出の場所に、これから共に歩いて行く久留米を連れて来て、楽しそうに笑う芽衣子がやけに遠く感じた。