旅支度-1
赤褐色の砂で出来たコンクリートの上で
さっきまで体を濡らしていた悲しみ、雨の中。
気が付けば、荒涼とした目印も何も無い社会
僕らは地図もコンパスも持たずにここまで来た。
今まで決して一人では無かったけれど、
これからもこの荒れた大地の上を、僕らは裸足で歩くんだろう。
もう振り返らない。
喜びも悲しみも、世話になったあの人も
大好きだったあのうたも
全部、綺麗な心の中に
君というオアシスを求めて。