〈三匹の牝豚〉-34
『良い香木が採れるよう、部下達に発破掛けとくわ。期待してるわよ』
専務はやけくそ気味にガッツポーズをすると、静かに扉を閉めた。
結局、最後まで大事に取っておいた御馳走は、予想外な邪魔者に横取りされ、全く味わう事が出来なかった。
貨物船の中で、瑠璃子ではなく架純を姦るべきだったと後悔しても、それは後の祭り……俯いたまま監禁用の巨大な建物から外へ……赤い夕日が空を染め、灰色の雲がたなびく中に、気の早い星が瞬いていた……。
『……お。ヤッてるな?』
あの日と同じ空の下、やはり同じ光景が繰り広げられていた。
文乃を吊した大きな木に、今度は瑠璃子が吊され、その周りには鬼畜達の人垣が出来ていた。
掌を覆うブーツも、腰のベルトも足枷もそのままに、それらに麻縄が結ばれ、瑠璃子は股間を全開にして宙吊りにされていた。
『イヒ…ヒ……ゲロ吐いてんじゃねえよぉ……もっと奥まで喰わえろ……』
「げ…げぼ…ッ……あぷぅ!!」
『し…締まるッ……締まってくるうぅ!!』
サロトの排泄後の肛門を舐めさせられる変態行為からは免れたが、それに勝る苛烈な凌辱が瑠璃子を待ち受けていた。
ホールギャグは口を性器と同様の穴にし、その肉体は上下から鬼畜達の串刺し刑に処され、顔面を吐瀉物が洗い流していく中、子宮と肛門には大量の精液が注入されていった。
『あ〜あ、せっかくのイイ女が……クックックック……』
豊満な胸は四方から伸びる手に鷲掴みにされ、興奮状態の鬼畜達が喰いつき、下品な音を発てて吸われ、噛まれていっていた。
その様は便器と呼ぶよりは、野獣達の中に吊された餌……こんな下劣な奴らには勿体ないくらいの高級肉だ……。
『今度は胸のデカい牝豚でも連れてくるか?アイツらの餌用に……』
あの日と同じく、専務は輪姦されている“刑事”を横目に港へと向かった。
もう麻里子に会う事は無いだろうし、美津紀も興味の外だ。
瑠璃子が次の訪問の日まで“使われている”かどうかに少しだけ興味があるだけで、もう頭の中は、最後の銭森姉妹の春奈の事で一杯になっていた。
背後から瑠璃子の断末魔の叫びと、鬼畜達の狂った笑い声が聞こえる……この狂気の大地に、悲劇の姉妹が埋もれる日へのカウントダウンが始まろうとしていた……。
《終》