〈三匹の牝豚〉-33
『……あ、ああ……瑠璃子は部下達が連れていったし、麻里子も俺が姦してやりましたよ』
どうにもバツが悪いといった表情で、専務は立ち尽くしていた。
架純は商品としてタムルに売ったのだ。
その商品で遊ばせろとは、どうしても言えない。
瑠璃子に手を出した八代とは、絶対に違うという自負もある。
モジモジと、挙動不審な専務を見兼ねてか、タムルは架純の髪を撫でるのを止め、静かに手招きをした。
『……この娘を見付けたのは貴方?』
手招きに誘われ、専務はタムルの傍まで歩みを進めた。
肉棒は架純の喉奥まで突っ込まれており、ギャグと密着したタムルの陰毛には、嘔吐した吐瀉物がベッタリと付着し、酸んだ異臭が漂っていた。
「……う…ごぽッ……はご……」
泣き続けて赤く腫れた目は、ポカンとして動かず、苦しそうに瞼や目尻が痙攣するのみ……もう精神の崩壊が進み、無意識のまま肉体が苦悶しているだけだ。
悲惨な状態な架純を眼下に、タムルからの予想外な質問に専務は少し戸惑いを見せたが、直ぐに得意(?)の営業スマイルを作り、自信満々に答えた。
『もちろん。私が見付けて捕獲したんですよ』
タムルは笑っているとも怒っているとも付かぬ表情のまま、ジッと専務の顔を見つめてきた。
(なんだよ…気色悪いオヤジだな。文句あんなら言えよ)
そんな事はおくびにも出さず、視線を逸らさずに見つめ返した。
やがてタムルの表情は和らぎ、グニャリと顔を歪めて笑った。
『……貴方……素晴らしいわ……そんな貴方に頼みがあるの……』
今度は専務に笑みが零れた。
これは好みの牝を捕獲して来いとの依頼に違いない。そうなれば報酬はいつもより跳ね上がるのは確実。
『私ね、気の強い牝が好きなの。攻撃的で山猫みたいな……そう、麻里子みたいな牝よ……どう?』
どう?と聞かれて「出来ません」や「難しいですね」と答えたのでは営業マンとして失格だ。
専務は胸を張り、「お任せ下さい」と自信タップリに答えてみせた。
『嬉しい!やっぱり貴方って頼れる男だわ』
タムルは満面の笑みを浮かべると、また架純の髪を撫で、腰をゆっくりと動かし始めた。
(な、なんだよ……もう終わりかよ?)
専務は架純の口姦に夢中になっているタムルの見つめていたが、そんな専務を置き去りにしたまま、タムルは一瞥もくれはしなかった。
寂しさにかられたまま、専務は扉を開け、チラリと振り向くと、ようやくタムルは専務に視線を送ってくれた。