〈三匹の牝豚〉-16
{ムフゥ……美津紀に比べたら、まだまだじゃなあ……}
軽く否定的な言葉を吐いてはいるが、サロトは射精を終えた満足感から、穏やかな顔へと変わっていた。
その顔は人懐っこい太ったオヤジに過ぎず、世間的にはこちらが本来のサロトの姿なのだろう。
だが、その穏やかな顔のまま、サロトはリードを引いて瑠璃子を引きずりに掛かった。
この監禁部屋から別の部屋へ移動させるつもりだ。
「う…うぅ……」
瑠璃子は覚束ない足取りで、ボロボロになったブルマを着たまま、フラフラしながらサロトの後を四つん這いでついていく。
無理矢理に引きずられていく様は、屠殺場に連れていかれる家畜のようだ。
サロトは扉を開けて右に曲がると、すぐ隣の部屋の扉を開けた。
なんの事はない、右隣の部屋だ。
サロトの後を追い、専務もカメラマンもついていく。
しかしそこは、瑠璃子も麻里子も想像しえない世界だった。
褐色の全裸の男が一人佇む部屋。
その頭上には、全裸の若い男が麻縄で逆海老反りに縛られ、チェーンブロックと呼ばれる手動式クレーンに吊り下げられ、宙に浮いていた。
その下には黒革で設えた分娩台があり、やはり全裸となった若い女が、股間を広げて座らされていた。
男には黄色いボールギャグが、そして女にはホールギャグが噛まされ、言葉すら発せなくさせられている。
その二人は、誰あろう大翔と架純だった。
『あら、お二人さん。もう楽しんだのかしら?』
タムルは肉棒を存分に勃起させ、ウキウキした様子で近付いてきた。
その両手は、既にベタベタに濡れ、テカテカと光っていた。
「う……嘘……嘘よ………」
サロトはリードを放し、瑠璃子が架純の傍に這っていくのを黙って見ていた。
そして横を通り過ぎていくタムルすら、瑠璃子には注意を払わない。
あの掌のブーツと拘束を見れば、何も出来ないのは一目瞭然だからだ。
『なに、お友達が遊ばれてるトコをコイツに見せてやろうかと思ってのう?一緒に見学に来たんじゃ』
三人を尻目に、瑠璃子は分娩台に拘束された架純の傍で立ち膝になり、掴めぬ掌でベルトを解いてやろうと手を伸ばしていた。
「か、架純ちゃん…架純ちゃん!!」
分娩台の手摺りの部分に、黒革のベルトで腕は拘束され、開脚の為のアームにも、膝と足首がベルトで巻き付けられていた。
曝け出された胸肉は思いの外大きく、ピンク色の小さめな乳輪から、肥大した乳首が反り立っていた。
顔に似合わぬ毛深い陰毛はベッタリと体液に塗れ、パックリと開かれた肉花と秘肉、内股には泡立った牝汁が付着していた。
そして、広げられた股間の前方の床もビチャビチャに濡れ、女性の秘密の臭いを発散している。
見れば、瑠璃子の膝も掌のブーツも、生臭い液体に濡れ、ヌルヌルとした輝きを放っている。
それはさっき這ってきた床に飛び散っていた架純の恥辱の結果なのだと、今気付いた。