〈三匹の牝豚〉-10
{ほう…?ご奉仕とな?}
(!!!!)
サロトは膝の裏に掌を当て、思い切り開脚して仰向けにひっくり返った。
反り返った肉棒は瑠璃子の視界から消え、代わりにモジャモジャに陰毛の生えた陰嚢と、尻毛に埋まった真っ黒な肛門が丸出しとなって突き付けられた。
そして、その向こうには、すっかり蕩けた目をしたサロトの気味悪い笑顔が揺れている。
それは恥という概念すら忘れ去った、畜人の成れの果ての姿そのものだった。
{ほら、ドコをどうすれば男が悦ぶか、八代から教えて貰っただろ?}
「!!!!」
麻里子はまたも飛び出した八代の名前に表情は強張り、そして瑠璃子は悔しそうに唇を噛み、専務を睨んでいた。
(八代…?あの八代と瑠璃子が……?)
衝撃的な台詞に思考が混乱した麻里子の瞳に映るのは、サロトにリードを引かれて股間に突っ伏す瑠璃子の姿と、その顔面が離れないように、頭髪を掴んで押し付ける専務の狼藉だった。
{何回もヤッたんだろ?可愛い女を気取って、何も知らない振りして、いろいろ教えて貰ったんだろ?……今更隠すんじゃねえよ}
{……う、煩いッ!!煩いのよ!!}
瑠璃子の台詞は、そのまま専務の台詞の肯定へと繋がる……瑠璃子はまたしても専務の策略に嵌まり、自ら墓穴を掘る羽目になった。
{大翔の前で架純ちゃんを嬲り者にされていいのか?文乃先輩みたいに架純ちゃんを庭の木に吊して、全員でマワしてやろうかあ?ああ?}
モニターに映るのは、歯を剥き出しにして噛み締め、しかめっ面で泣きじゃくる瑠璃子の横顔……追い詰められて逃げ場すら失った妹の苦悶の姿……それは暴力でのみ姦された美津紀よりも残酷な、まさに仕打ちだった……。
「……や…やめて……瑠璃子やめてぇぇ!!!」
麻里子の視界には舌を伸ばした瑠璃子の横顔があり、やがてそれはサロトの肉棒へと恐る恐る触れていった……サロトの大袈裟な喘ぎ声と、専務の冷酷な笑い声……瑠璃子の瞳は、汚物も同然の肉棒の味覚に、嫌悪を超えた嫌悪感に霞み、爆発しそうな感情に悲惨な輝きのみを映し出している……。
『なんだよ、ねちっこく舐めてんなあ?』
『お前の妹、だんだんと気分がノッてきたみたいだぜ?』
『おぉ?やっと先っぽに吸い付きやがった。焦らし上手なヤツだなあ』
付きっ切りな専務の囁きに、瑠璃子は涙を流しながら従順になっていた。
その囁きはカメラのマイクでは拾えていないが、執拗な強迫と強要である事は間違いない。
専務の唇が動く度に瑠璃子は肩を竦め、表情は痛々しく歪んでいく。
これは最早レイプなどではなく、性的な拷問だ。