追憶タイム 後編-8
「拓郎先輩、これからどうするって言ってた?」
「吹っ切れた、って言ってた。奥さんのことも、あたしのことも、思い出にしてしまえるって」
「そうか。よかったな」ケンジはまたビールの缶を口に持って行った。「彼の亡くなった奥さんって、そんなに君に似てたのかな……」
「もうびっくり。高校ん時のあたしと、姉妹以上に瓜二つ」
「君には姉妹はいないだろ。って、写真でも見せてもらったのか?」
「うん。あたしもさ、先輩から聞かされた時は、嘘だよー、って思ってたけど、写真見た時、もうびっくり仰天して絶句したもん」
「君への未練が、その良美さんとのつき合いに結びついてたってか?」
「たぶんそうだと思うよ。だからあたし、とっても申し訳なくってさ」
「先輩の好みの顔だった、ってことにしとけよ」ケンジは飲み干したビールの缶をぐしゃっと手で握りつぶした。
「妬いてる? ケンジ」ミカはいたずらっぽくケンジを見た。
ケンジはミカに向き直り、鋭く睨み付けた。「妬いてる!」
「もう、ケンジったら……。幼い息子にもヤキモチやくし、もう会わないってわかってる先輩だよ? 嫉妬することなんか、」ケンジはいきなりミカの身体を抱きしめ、唇を自らの口で塞いだ。
「んんんんっ、んっ!」ミカは目を白黒させて呻いた。
ようやく口を離したケンジの頬を両手でつねりながら、ミカは真っ赤な顔をして小声で抗議した。「やめてよっ! こんな人目のあるところでっ!」
「構うもんか! 俺の方が絶対に気持ちいいんだからなっ!」
幸い、今日の新幹線は空席が目立ち、ケンジたちの周囲に客は座っていなかった。
ケンジはもう一度ミカに猛烈な勢いでキスをしながら、手をミカの股間に潜り込ませた。
ケンジの手は肌に張り付いたミカのジーンズの前のボタンを外し、ファスナーを引き下ろし、ショーツの中に侵入した。
「や、やめっ! ケ、ケンジっ! あ、あああ……」
彼の指がミカの谷間の奥深くまで挿入され、細かく震えながら動いた。
ミカは自分の口を押さえて必死で声を殺し、それでも息を荒くしていった。
ケンジのもう片方の手が、背中に回され、シャツの下からミカのバストに伸びた。
ミカはさらに顔を赤くして喘ぎだした。
ブラの隙間から入り込んだケンジの指が乳首を摘み上げてぐりぐりと刺激した。
「んはっ! あ、ああああっ!」
ミカは口から手を離した。そして思わず声を上げた。
ケンジは素早くミカの口に思い切り吸い付いた。そして激しく舌を拘束しながら吸引した。
秘部に挿入された指の動きが激しくなった。
びくびくびくっ!
ミカの身体が大きく痙攣した。
「んんんんーっ!」
乱れた着衣のまま、ミカはケンジの背中に腕を回していた。そして荒くなっていた息を落ち着かせようと、顎をケンジの肩に載せたまま大きく胸を上下させた。
「ば、ばかっ! 何てことするんだ、こんなところでっ!」
ミカはまだ赤いままの顔でケンジに抗議した。
ケンジはふっと笑ってミカの耳元に口を寄せた。「どうだ? イき方は俺の時の方が激しいだろ?」
「ああもう! ショーツが気持ち悪いったらありゃしない。びしょびしょじゃないか」
「昨日言っておいただろ? 覚悟しとけって」
ミカは腰をもぞもぞさせた。
「脱いじまったらどうだ?」
「軽く言うなっ!」
ケンジは晴れ晴れとした顔でため息混じりに言った。「あーすっきりした」
ミカは服を整えながらケンジを睨み付けた。「覚悟してろよ、今夜。仕返ししてやるから」
「楽しみだね」ケンジは爽やかに笑った。
最終脱稿 2013,9,16
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