君を諦めたくない2-1
シャワーを浴びてサッパリした芽衣子は、バスタオル一枚を身体に巻き、頭はターバンのようにタオルを巻いて再び部屋に戻ってきた。
芽衣子が入ってくると同時に、フローラルブーケの甘さが混じった爽やかな香りが部屋の中に広がった。
「おい、園田。あんまりジロジロ見るんじゃねえぞ」
さっきからチラチラ芽衣子の方を横目で見ていた園田を一睨みしながら凄んでやる。
しかしコイツはやや得意気な顔で、
「こないだは有野さんと久留米さんがアレしてる所を見張ってろって言ってたくせに……。
アレ見せられて今更有野さんの着替えくらいどってことないでしょ?
私ね、有野さんの弱点まで知ってんですよ。
くすぐったがりなんですよね、彼女。
首筋や脇を指でなぞられただけでそれはそれは悩ましい声を出してたし」
と、俺をおちょくり始めた。
あんな真剣な告白を聞いた後でこうもからかわれると、一層園田に腹が立ってくる。
「……このクソハゲがっ!」
すっかり頭に血がのぼった俺は、園田の顔から眼鏡をむしり取った。