君を諦めたくない2-12
「俺、あの時すぐに助けに行かなくてごめんな。
それだけじゃねえ、今までだって散々お前のこと泣かせてばかりでごめん。
浮気して、お前を殴って、お前の金勝手に使い込んで、無理心中に巻き込んで、挙げ句の果てに一緒に生まれ変わるとか勝手な理由でお前を殺そうとして……マジで俺、最低だな。
ホントにごめん。ってか、俺なんかと出会ってしまったばっかりに、お前の人生めちゃくちゃにしちゃってごめん。
ごめんな、芽衣子。マジでごめん……」
ごめんばかりを繰り返す俺は、もはや声が震えて言葉らしい言葉になっていなかった。
うまく言葉が発せられなくても、芽衣子に届かなくても、何度でもごめんと言わずにはいられなかった。
俺が芽衣子に執着すればするほど、彼女は不幸になっていく。
でもこのまま芽衣子を諦めたくないという自分勝手な想いも残っている。
スヤスヤ眠る芽衣子を涙越しに見つめながら、俺は自分が出すべき答えをひたすら探し続けていた。