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男女四人春物語
【純愛 恋愛小説】

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第六話(エピローグ)-3

いや、これは当然の報いかもしれない。俺は二人に最低なことをしたんだから。

「クラコー!」
「きゃっ!?」
「え?え?」

なんだ?俺が落ち込んだ一瞬の間に何があった?

「ゆ、ユイ?どうしてここにいるの?」

突如として現れたのは、OL姿の唯。俺がつい三ヶ月前まで付き合っていた、元彼女。

「ユイはここの常連なんだよ」

クラコの疑問に答えたのは、クリームパスタを乗せたお盆を持って現れたヨッシーだった。その隣には、日本酒をお盆に乗せた深雪さんの姿もある。

「そうなの。いつもお昼はここで食べてるんだ〜」
「そう。こんなボロい所で」
「うわ、酷いなぁ」

一瞬、唯と目が合う。だが気まずくてすぐに目を逸らした。

「あ、私に振られた人」

ぐさっ!

「脳内でクラコと浮気してた人」

ぐさっ!

「ちょっと凌駕。今の話、詳しく教えてもらえるかしら・・・!?」

ぐびっぐびっ。瓶にそのまま口をつけて一気に日本酒を飲みほすクラコ。

「なぁヨッシー。クラコとはよく飲みに行ってたのか?」
「うん。それなりに」
「酒癖は?」
「最悪だね」

真面目な話ができないじゃないか・・・!

    ***

「ん、うん・・・?」
「よっ。お目覚めか、酔っ払い」
「凌駕・・・ここ、どこ?」
「ラブホ」
「えっ!?」
「初めて来たけど凄いな」

クラコは自分の姿を確認し、服を着ていることに安堵してみせる。
さすがの俺も、寝込みを襲ったりはしないっての。

「りょ、凌駕!結婚は三年後だって言ったでしょ!」
「うん。言ってたな」

でも、と俺は続ける。

「それってつまり、恋人ならいいってことだろ?」
「そ、それは・・・」
「それにクラ・・・三重子。まだそれ、してるみたいだし」

銀色に輝く安物のリング。
三重子に振られ、唯と付き合うことになったあの日、三重子の左手の薬指にはめた婚約指輪代わりのそれを、まだ彼女は身につけていた。

「これからは恋人として、よろしくな。三重子」
「え、えっと、は、はい。こちらこそ」

そうして俺たちは再び、付き合うことになった。
結婚まで、あと三年・・・。



男女四人春物語 終


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