投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

男女四人春物語
【純愛 恋愛小説】

男女四人春物語の最初へ 男女四人春物語 36 男女四人春物語 38 男女四人春物語の最後へ

第四話-7

「ユイは大切な友達だって話」
「そうだっけ?」

たしかにユイは大切な友達だけど、今はその話をしていただろうか。
というか・・・。

「三重子、今すごく恥ずかしかっただろ」
「うるさいわね」

クラコは今みたいな恥ずかしいセリフは普段言わないからな。

「とにかく。ユイには、私たちしかいない。凌駕に振られて、傷ついてる」
「ああ・・・」
「だけど、ヨッシーには秘策があるみたいなの」
「ヨッシー?秘策って?」
「そこまでは知らないけど、『ユイが傷ついた時は僕に任せて』って言ってたわ」

あいつ、まさかユイに告白でもする気か?少し前に佐藤さんに告白して振られたばかりだと言うのに。

「じゃあ、ユイのことはヨッシーに任せて大丈夫ってことだな」
「そういうこと。元々、私も凌駕には、慰める資格なんてないけどね」
「まぁ、そうだな・・・」

諦めろと言った親友と、他に好きな人がいると断った友達。そんな俺たちが、ユイのことを慰められるわけがない。

「それでクラコ。どうして失踪みたいな真似したんだよ」

付き合わないほうがよかったと言った意味はわかったけど。

「凌駕と付き合わなければ、好きにならなければ、ユイと喧嘩することもなかったなって・・・」

やはりそんな理由か。

「じゃあ三重子。俺と別れたいのか?」
「そんなわけ、ないじゃない・・・。別れたいなんて思ってたら、わざわざいなくならないわよ」
「・・・」

俺とは別れたくない。けどそれだとユイが傷ついてしまう。どうすればいいのかわからず、一時的とはいえ連絡を絶った・・・そんなところか。

「三重子。結婚するぞ」
「は?結婚って、本気・・・?」
「冗談でこんなこと言うかよ」
「でも、ユイが・・・」
「別れる気はないんだろ?俺もない。なら中途半端に恋人を続けるより、結婚したほうがユイのためになるんじゃないか?」

なんて自分勝手な考えに過ぎないのだが。
でも俺とクラコが結婚しなかったら、ユイはいつまでも『いつか別れるんじゃないか』という期待を抱いたままな気がする。

「倉敷 三重子。俺と結婚してください」
「っ!?い、いきなりプロポーズしないでよ!」




男女四人春物語の最初へ 男女四人春物語 36 男女四人春物語 38 男女四人春物語の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前