第二話-10
「なら何も問題ないだろ。家の場所くらい教えてくれよ。友達だろ」
「絶対にダメ」
なんて冷たい彼女なんだ。さすがはクラコ。
「俺はお前のことが好きだ」
「何よ突然」
「クラコのことが大好きで、ユイとヨッシーも好きだ。好きな奴のことは、知りたいもんだろ」
「そんなに知りたいの?」
クラコは俺を睨みつける。視線だけで殺されそうな感覚に陥った。
「ユイについて知ることは、多分、リョウにとってとても辛いことになると思う」
「・・・」
「あんたは優しい、ううん。甘いからね。もしかしたら、私への気持ちも・・・」
クラコはそこで言葉を切って目を伏せた。
「それならそれで、しょうがないか・・・」
呟くようにそう言い、目を開けて再び俺を睨みつける。
「いいわ。教えてあげる。後悔しても知らないから」
第二話 終