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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Present-8

――――女性の方は左足を折り曲げた状態で腰を下ろしている。

すっきりと伸びる首には鎖付きの首輪がつけられ、
なだらかな肩から胸元までは乳房の先端までがはっきり分かるほど露になっている。
それを半分ほど隠すことで見る者の官能を高ぶらせようというのだろうか、

彼女の波打った髪の形状がそのみずみずしい肌つやの胸元に幾束か被さった状態。

両足にはストッキングがぴっちりと張り付いており、

柔らかな腹とその下腹部も露になったままで隠すべき下着もなく、
ただ象徴的に“青い薔薇”によって表現されていた。


そして彼女の背後に重なるようにして描かれた男の像。

筋骨隆々とした褐色の肌が女性の滑らかな肌と好対象を為している。

その女性の背後から男の右手が彼女の右手を握りしめ、
左手は彼女の左乳房を下から押し上げるような形で描かれている。


一方の女性は顔を横向けにして、
自らの眼前にある男の横顔に左手を添えている。

そんな彼女の表情は
目を潤ませ頬を僅かに赤らめ
何かを言いたそうにして唇を半開きにしていた。

まさしく

セリスがかつてアウザーの美術館で体現し、
そのままキャンパス上に描写された情景をブロンズ像という形で“再現”したものだった。
「・・・・・・・」



ソファに腰を下ろしながら、セリスは目の前に置かれたブロンズ像つまり“自分とアウザーの組み合わせ”を食い入るように見つめていた。


“何故この構図の銅像が存在するのか”

そして“何故この館、この部屋にセリスへの贈り物として置かれてあるのか”


セリスの脳裏に当然といえば当然の疑問が浮かんでくる。

だが2つの疑問に対する答えは明白だった。

それは他ならぬ領主自身がこれまで垣間見せてきた “空気”でも裏付けられる。


アウザーが密かにこの構図の銅像を作らせ(恐らく1つだけではないだろうが)、
その事情を含め領主に全てを告白した。

そしてセリスの素晴らしさを吹聴して領主の欲望を煽り、併せてブロンズ像をセリス自身に贈呈するよう依頼してきた―――――


つまり領主自身もアウザー同様セリスに引き寄せられた“雄”として“今夜”を仕組んだいうことになる。




彼女の脳裏に
半月以上前にサウスフィガロにあるアウザーの私的美術館の一室でアウザーと逢った時のことが、まざまざと思い起こされる。


そしてジドールの高級旅館の一室の情景も。





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