Present-19
「・・・それもこれも、アウザーがこのような物を特注で贈ってもらったお陰です。無論私も自分用をもらっていますが・・・・・・セリス様、これからも是非目の前のブロンズ像をご愛好ください・・・・」
真下から響く領主の呟きを耳にしながら、既に快感の波で何度目かの意識喪失を前にし、セリスの虚ろな瞳がその振動の様を視界の片隅に捉えていた。
―――カタカタカタカタカタ・・・・・
―――カタ、カタ・・・・・
ブロンズ像の振動がパタリと止んだ時、
ほの暗い室内にセリスの発した歓喜の声が、
長い余韻を残しつつ響いた。
“あっ、アッ、あァ〜〜〜ッッッ・・・――――”
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―――ガラガラガラ・・・
「―――――昨晩は済まなかったな。結局あの館に泊まることになったわけだが・・・まぁあれだけ貴婦人方相手に酒を交わせたのも久しぶりだから、良い気分転換になったがな」
翌日領主の館からの帰途、王室専用の馬車の中で2人きりになった時、
エドガーは正面に座るセリスに向かって声をかけた。
この時のセリスの出で立ちは、いつも彼女が屋外で普段身に付けるものだった。
「いいのよエドガー。エドガーが主賓だから、貴婦人方にもてて当然ね。いちいち嫉妬するつもりもないわよ」
「はっは・・・そう言われると余計に浮気もできないな」
淡々とした口調で平然としているセリスに対して、
エドガーは苦笑いしながら金髪をくしゃくしゃとかいた。